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夜中
「夜中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ら、思ったよりも若い声で、ほとんど機械的にこんな挨拶の言《ことば》を述べた。
「
夜中《やちゅう》、殊に御忙しい所を御邪魔に上りまして、何とも申し訳の致しようはご....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
さらに兵衛《ひょうえ》をつけ狙った。が、その後《ご》四五日すると、甚太夫は突然真
夜中から、烈しい吐瀉《としゃ》を催し出した。喜三郎《きさぶろう》は心配の余り、す....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
度へ、懶《ものう》い流し眼を送っていた。
「おい、羽織をとってくれ。」
牧野は
夜中《よなか》のランプの光に、脂《あぶら》の浮いた顔を照させながら、もどかしそう....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
耶観音なのです。お栄はそれを見ると同時に、急に※《こおろぎ》の鳴く声さえしない真
夜中の土蔵が怖くなって、思わず祖母の膝へ縋《すが》りついたまま、しくしく泣き出し....
「葱」より 著者:芥川竜之介
火をつつましやかにともしてくれる。ああ、東京の町の音も全くどこかへ消えてしまう真
夜中、涙に濡れた眼を挙げながら、うす暗い十燭の電燈の下に、たった一人|逗子《ずし....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
また伝うる所によれば、悪魔はその時大歓喜のあまり、大きい書物に化《ば》けながら、
夜中《よじゅう》刑場に飛んでいたと云う。これもそう無性《むしょう》に喜ぶほど、悪....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ゃ、五分もほんとうに寝なかったようだわ。そうしちゃ妙な事云って、――私《わたし》
夜中《よなか》に気味が悪くなってしまった。」
もう着換えのすんだ慎太郎は、梯子....
「白」より 著者:芥川竜之介
告訴《こくそ》を起すといきまいている。等《とう》、等、等。
五
ある秋の真
夜中です。体も心も疲れ切った白は主人の家へ帰って来ました。勿論《もちろん》お嬢さ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
相不変《あいかわらず》人を避けて、山間の自然に親しみ勝ちであった。どうかすると一
夜中《ひとよじゅう》、森林の奥を歩き廻って、冒険を探す事もないではなかった。その....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
敷を走りまわった。僕はその時座敷の畳に油じみのできたのを覚えている。それからまた
夜中の庭に雪の積もっていたのを覚えている。 五 猫の魂 「てつ」は源さ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
な鉛筆の跡があります。 「遠藤サン。コノ家ノオ婆サンハ、恐シイ魔法使デス。時々真
夜中ニ私ノ体ヘ、『アグニ』トイウ印度ノ神ヲ乗リ移ラセマス。私ハソノ神ガ乗リ移ッテ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
つ教えてやろう。今この夕日の中に立って、お前の影が地に映ったら、その頭に当る所を
夜中に掘って見るが好い。きっと車に一ぱいの黄金が埋まっている筈だから」 「ほんと....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
後の理由を述べ尽しているのである。以下その手記である、―― 夜も更けた、もう真
夜中である。私はこの手記を書いてしまうと自殺をするのだ。なぜだ? 私はその理由を....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
とをすっかり忘れておった。翌朝になって、ファラデーが来て見ると、アンデルソンは一
夜中、炉に火を焚き通しにしておった。 この年、デビーの推選で、協会の実験場長に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ているのを見ると、彼らはいつも嵐の来襲にそなえたものである。ときには彼の一味が真
夜中に家々のそとを、ドン・コサック兵の一隊のように、駈けてゆくのがきこえることも....