夜光虫[語句情報] »
夜光虫
「夜光虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜光虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ラのレンズに化してしまったが、しかし、非情のレンズにしては、何か熱っぽく燃えて、
夜光虫のように光った。 木崎は自分の心の底を覗くように、レンズを覗いた。レンズ....
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
した。 あなたにもそれが突飛でありましょうように、それは私にも実に突飛でした。
夜光虫が美しく光る海を前にして、K君はその不思議な謂《い》われをぼちぼち話してく....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
が、笑いながら傍によってきて、よくは判らないんですけれど、光るものと言うから多分
夜光虫でしょう、をみせてあげるからボオト・デッキに行こうッて言うのでしょう。わた....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
う? それはどこから来るのではない。洞窟内に住んでいる幾億万匹とも計り知られぬ、
夜光虫の発する光なのである。 驚きに打たれた若侍は、しばらくは茫然と立っていた....
「神話と地球物理学」より 著者:寺田寅彦
を光して依り来る神あり」とあるのは、あるいは電光、あるいはまたノクチルカのような
夜光虫を連想させるが、また一方では、きわめてまれに日本海沿岸でも見られる北光の現....
「錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
ってもただ一冊手に入っただけで、残りのものは梨のつぶてである。 このごろでは「
夜光虫ノクチルカ」その他の発光動物に関するものを捜しているが、まとまった手ごろな....
「超人間X号」より 著者:海野十三
は一瞬、深い暗闇《くらやみ》に包まれたが、これはどうしたことだろう。博士の全身は
夜光虫《やこうちゅう》のように、ボーッと青白い光りを放ち、髪の毛は針ねずみのよう....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
り、天じょうの方までつづいていた。後になってわかったのだが、この光は深い海にすむ
夜光虫をよせあつめた冷光灯であった。 太刀川時夫は、この気味わるい光のなかに立....
「橋」より 著者:池谷信三郎
の連りが、限りなく真直ぐに走って、自動車の頭灯が、魚の動きにつれて光る、夜の海の
夜光虫のように交錯していた。 階下の工場で、一分間に数千枚の新聞紙を刷りだす、....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
のような光が、上下左右に動きだす。空の星がうつっているのか。いや、そうではない、
夜光虫の群である。 この光の間を、光る魚が、ぴかぴかした着物をじまんするように....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
ケツを着けたきりで、顔は雨に濡れて、月のように青く光った不思議な頬の色であった。
夜光虫は私たちに一言の挨拶もせず、溶けて崩れるようにへたへたと部屋の隅に寝そべっ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ちている。 それは、女の乳房を、豪奢な王冠に変えたかのようで、中央の乳首には、
夜光虫が巨大な金剛石となって輝き、ぐるりの妊娠粒には、いちいち光る滴が星をふり撒....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
なんや、復員か」 という一言が、彼を悪の華の咲く園に追いやり、太陽の光線よりも
夜光虫の光にあこがれさせてしまわないとは、断言できない。 「復員の荷物みたいなも....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
人の病気だ。しかし、病気に罹ったものだけが、本当の健康に憧れることが出来るのだ。
夜光虫の光に親しんだものだけが、太陽の光線に憧れるのだ。夜を経なくっちゃ、太陽が....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
物凄く、神秘に充ち充ちた有様と云うものは……空の光に迷う梟の声、海の波間で閃めく
夜光虫、遠い遠い沖の方から、何者とも知れぬ響が幽に起こり、暫して鳴り止みますと、....