夜宴[語句情報] » 夜宴

「夜宴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夜宴の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
遷り、同じ齢の順承が小津軽から入って封を襲いだ。信順は頗る華美を好み、動もすれば夜宴を催しなどして、財政の窮迫を馴致し、遂に引退したのだそうである。 抽斎はこ....
暗号の役割」より 著者:海野十三
あとに袋猫々ただひとりが、森閑とした部屋に取残された。 烏啼の館では慰労の夜宴が開かれた。 「あのポンスケ探偵も、今頃はさぞおどろいているでしょうね」 「....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
街の衣裳屋ポウラン夫人が自分で裁断鋏をふるった蝉の羽にシシリイ島の夕陽の燃えてる夜宴服をくしゃくしゃにして、むき出しの細い二の腕へ粒々をこさえたまんまさっさとル....
盈虚」より 著者:中島敦
姉の伯姫と甥の孔※《こうかい》とには、固《もと》より大いに酬いる所があったが、一夜宴に招いて大いに酔わしめた後、二人を馬車に乗せ、御者に命じて其の儘国外に駆り去....
立札」より 著者:豊島与志雄
場に、互にまじり合って集り、火が焚かれ、豚や鶏が灸られ、酒甕の口が開かれ、賑かな夜宴が、寒夜野天の下で始まりました。苦力たちがみな、腕に小さな青布をつけているの....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
物から華やかな笑いと、華やかな灯火とが洩れて来ていた。丸田屋の主人が客を招んで、夜宴をひらいているからである。 芙蓉の花がにわかに揺れた。お小夜の袖が煽ったか....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
をつづけていた。 で、境地はひそやかである。 それだけに聚楽の主殿における、夜宴の賑かさが気味悪く聞こえる。 と、卒然と常陸介は云った。 「五右衛門もう一....
魔像」より 著者:林不忘
硬剣《こうけん》豪剣《ごうけん》の双手だが。 今。 この横地半九郎の屋敷に、夜宴《やえん》の最中、いつの間にかはいりこんで屏風のかげに潜《ひそ》んでいた神尾....
純情狸」より 著者:佐藤垢石
本を読んでいるのを、障子のすき間から、しばしばかいま見たことがある。 自分が毎夜宴席で接待する呑ん兵衛共とは、人種が異うほど人品が高い。自分もやがては卑しき稼....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
りはならんという御諚!」 「お沙汰をお待ちなさい!」 最前までこの城中も、奥は夜宴に、お表は賜酒の無礼講で、たいそう平和であったのが、この老人ひとりの言葉から....
三国志」より 著者:吉川英治
か」と、訊ねた。 すると、傷負の勇士は、 「――されば、それがしは先年、楚城の夜宴で、王の寵姫に冠の纓をもぎ取られた痴者です」 と、にこと笑って答えながら死....
三国志」より 著者:吉川英治
いてきた。 「各※には、そう急ぐにもあたるまい。これから席をかえて、ごく小人数で夜宴を催そう。……おいっ、特別の賓客をあちらの閣へご案内しろ」 「はっ。……歩け....
三国志」より 著者:吉川英治
諸大将と碁を囲んでいた。 「これは平和な風景だ」 瑾はいささかあきれた。そして夜宴のあとで、陸遜と二人きりになったとき、切に、味方の態勢と、魏の勢いとを比較し....