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「夜嵐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夜嵐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
きも遠い亭まできこえるほどに、広い別荘のうちもひっそりと静まっていた。すさまじい夜嵐の名残りで、庭は見渡すかぎり一面に白い花びらを散り敷いていた。 「神ほとけも....
世相」より 著者:織田作之助
などを彼女に持って行くという歯の浮くような通いかたをした挙句、静子に誘われてある夜嵐山の旅館に泊った。寝ることになり、私はわざとらしく背中を向けて固くなっていた....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
上へ被さって、袖を包み、蔽い、裙を包んだのも面白い。あくる日、雪になろうとてか、夜嵐の、じんと身に浸むのも、木曾川の瀬の凄いのも、ものの数ともせず、酒の血と、獣....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
りの姿があたかも大|蜘蛛の這ったように、地面に影を描き出したが、さっと吹いて来た夜嵐に桜の花がサラサラと散り、その影をさえ埋めようとする。 こういうことのあっ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
らねばならぬ。でも、夏の戦闘に比べては、何を云っても最早しめたものである。朝霜、夜嵐、昼は長閑な小春日がつゞく。「小春日や田舎に廻る肴売」。「※?」「秋刀魚や秋....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
ともしの翁一人、立出づるが、その油差の上に差置く、燈心が、その燈心が、入相すぐる夜嵐の、やがて、颯と吹起るにさえ、そよりとも動かなかったのは不思議であろう。 ....
栃の実」より 著者:泉鏡花
か。」「えい、松明でゃ。」「途中、山路で日が暮れますか。」「何、帰りの支度でゃ、夜嵐で提灯は持たねえもんだで。」中の河内までは、往還六里余と聞く。――駕籠は夜を....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
れば嘴の尖った白面の狐が、古蓑を裲襠で、尻尾の褄を取って顕れそう。 時しも颯と夜嵐して、家中穴だらけの障子の紙が、はらはらと鳴る、霰の音。 勢辟易せざるを得....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
宮へ、ここぞ相の山の此方に、灯の淋しい茶店。名物|赤福餅の旗、如月のはじめ三日の夜嵐に、はたはたと軒を揺り、じりじりと油が減って、早や十二時に垂とするのに、客は....
露肆」より 著者:泉鏡花
、霜の素膚は堪えられまい。 黒繻子の襟も白く透く。 油気も無く擦切るばかりの夜嵐にばさついたが、艶のある薄手な丸髷がッくりと、焦茶色の絹のふらしてんの襟巻。....
小春」より 著者:国木田独歩
の葉は大、秋が来てもほんのり着いて、風吹くとも霜降るとも、容易には落ちない。冬の夜嵐吹きすさぶころとなっても、がさがさと騒々しい音で幽遠の趣をかき擾している。 ....
作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
くのが一番だと想いますじゃ」 二 二人の相手は庭に出て、猛烈な夜嵐におそわれ、頭を吹飛ばされそうになるまでは、いつの間に師父ブラウンの後につい....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
ちまち今度の謀叛だ」 「憎い男でございますな」 二人はちょっと黙り込んだ。春の夜嵐が吹いている。庭の花木にあたると見えて、サラサラサラサラと落花でもあろう、地....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
。昔の二句と比較してこの句の方が遙かに花の風というものを如実にうつし出している。夜嵐や太閤様のさくら狩 その女 ちぎれおつ牡丹桜の風雨かな 沼菽女 閨中の....
十日の菊」より 著者:永井荷風
三 同じ年の五月に、わたしがその年から数えて七年ほど前に書いた『三柏葉樹頭夜嵐《みつかしわこずえのよあらし》』という拙劣なる脚本が、偶然帝国劇場女優劇の二....