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夜廻り
「夜廻り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜廻りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女の決闘」より 著者:太宰治
千七百三十二年の暮に近い頃であった。英国はジョージ第二世の政府を戴いて居た。或晩
夜廻りが倫敦《ロンドン》の町を廻って居ると、テンプルバアに近い所で、若い娘が途《....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
後《うしろ》の処が屹度《きっと》番太郎に成って居たもので、番太郎は拍子木を打って
夜廻りを致す丈《だけ》の事でスワ狼藉者だと云っても間に合う事はない、慄《ふる》え....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
も外庭を見廻らせるか、又はお馬場口を見廻るが当然、陪臣の身分で御寝所近い奥庭まで
夜廻りに這入れと申付けたるは、些と訝しいようだ、左様な事ぐらいは弁えのない其の方....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
の始めで、夏は金魚を売ったり心太を売ったりして、無茶苦茶に稼いで、堅いもんだから
夜廻りの拍子木も彼の人は鐘をボオンと撞くと、拍子木をチョンと撃つというので、ボン....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
しく、振りの袂で胸を抱いた。
――まあ、あの騒ぎは! ――
彼は、直覚的に、
夜廻り役人から、御用の声をあびせかけられている当人は、いまここを退《の》いたばか....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
、屑屋同様になって店を仕舞うという有様であった。明治時代の大家と呼ばれた人の中に
夜廻りをやって見たり、植木屋の手伝いをして見たりした人もある。芝居役者と共同の興....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
四隅を竹でささえて、大勢がその下へはいって駈けて来ると、学堂の墻に近づいた頃に、
夜廻りの者が松明を持って、火の用心を呼びながら来たので、これに見付けられては大変....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、時の鐘ほどジャンジャンと打つける、そこもかしこも、放火だ放火だ、と取り騒いで、
夜廻りの拍子木が、枕に響く町々に、寝心のさて安からざりし年とかや。 三月の中の....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
持料になされて下さい、他の物は記が有りますから………此処にあなた様が居ると、もし
夜廻りの者が参っては相成りませんから、お早く往って、何うぞ早く往って下さい……急....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こう言って米友が詫《わ》びました。 「誰に済まないの?」 「なあに、つい、その、
夜廻りをしていたもんですから」 米友としては、しどろもどろの弁解でありました。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
自分としての、このごろの身辺雑事をあれかこれかと空想に耽《ふけ》っている時、外で
夜廻りの音を聞きました。
夜廻りの拍子木の音を聞くと、兵馬は膝を立て直し、 「....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
むしろ、火のつくほど泣き叫んでくれたならば――遥《はる》か彼方《かなた》を通る
夜廻りの者か、寺の庫裡《くり》の料理番か何人《なんぴと》か、夢を醒《さま》す人も....
「千代次の驚き」より 著者:豊島与志雄
人たちに出逢って、あたし、五十銭銀貨をあげました。 そしてるところへ、或る朝、
夜廻りの作さんが、あたしをそっと呼びだしました。昨晩おそく、この辺をうろついてた....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
探し廻った。 次から次、屋敷から屋敷へと、この騒動はすぐに伝波し、家中の武士、
夜廻りの者、若党、仲間などが獲物を携え、ここの一画を包囲して、陣十郎を狩り立てた....
「遁げて往く人魂」より 著者:田中貢太郎
二人の仕事師が某夜
夜廻りに往っていると、すぐ眼の前でふうわりと青い火が燃えた。二人は驚いて手にして....