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夜景
「夜景〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜景の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
んです。空は美しい星空で、その下にウィーンの市が眠っている。その男はしばらくその
夜景に眺め耽っていたが、彼はふと闇のなかにたった一つ開け放された窓を見つける。そ....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
帯びた閃光がひらめいて、琴のかえ手のように幽毅に、世の果ての審判のように深刻に、
夜景全局を刹那に地獄相に変貌せしめまた刹那にもとの歓楽相に戻す。それは何でもない....
「地球要塞」より 著者:海野十三
づく三隻の哨戒艦であった。このテレビジョンは、赤外線を受けているので、映写された
夜景は、まるで昼間の景色と同様に明るく見えるのだった。 その横では、吸音器が、....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ぞかせているのだった。だから、この外廊下からは、森の高い梢越しに、荒涼たる火星の
夜景が見える。
「ほら、あれを見なさい」
博士が、そう言って、天空にきらきらと....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
は普仏戦争とか、グリーンランドの熊狩とか、そんな風な絵を沢山に入れて、暗くすると
夜景となる趣向をしましたが、余り繁昌したので面倒になり知人ででもなければ滅多にこ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
には、前部の発射装置がそっくりそのままになっていて、その複雑な機械の影は、市街の
夜景ででもあるように錯覚を起してくる。 その前で、朝枝は茫んやりと、一つの鉢を....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
造りの頂上よりも高く、特殊に建てられてある閉扉の館の、高い高い二階から眺められる
夜景は、随分美しいものであった。主屋をはじめ諸々の建物や、おおよその庭木は眼の下....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
佐伯氏は微笑した。 だが私にはその微笑が、ひどく気味悪く思われた。 名古屋の
夜景は美しかった。鶴舞公園動物園の横を、私のタクシは駛って行った。 8 私のタ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ぞ。が、見れば、四本の刀が投げ出してあり、刀の主らしい四人の者が、廊下に立って、
夜景色を見ておる。長閑の風景だったぞ。そこでわしは貴殿方の腰の物をひとまとめにし....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
の魔都「道徳無し」と云われている享楽と罪悪と、政治犯人の絶好の隠れ場所たる上海の
夜景! おお友よ! どんなに僕は永年この都会の
夜景に面会することに憧憬したことか....
「感応」より 著者:岩村透
持っている人があるだろうが、中々巧いもので、殊に故郷の布哇で有名な、かの噴火口の
夜景が得意のものであった。この人は彼地有名の銀行家ビショップ氏の推薦により、特に....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うような訳で、自分の身体に苦しい所がなかったならばこの境涯は実に愉快極まる高原の
夜景であろうと思われたです。何故ならばその漠々たる原野の遙か向うの月下に朧に雪の....
「西航日録」より 著者:井上円了
かすものは、ただこの三都なり。余は、詩をもって各都の繁華の一端を述ぶ。 巴里
夜景 巴里街頭夜色清、樹陰深処電灯明、満城人動春如湧、酌月吟花到五更。 (巴里の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
社支店を訪問して帰船す。当夕九時、英船仏山号に移りてカントンに向かう。ホンコンの
夜景は海上より一見するに、全市万灯中にうずめらるるの趣あり。山媚水明に加うるに、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の頬や頤の石鹸の白、琥珀の香水、剃刀の光、鋏のチャキチャキ、そうした銀と緑との小
夜景がまるで近代劇の或る場面かのように私の前に展開された。その横文字の看板の、そ....