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夜汽車
「夜汽車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜汽車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
というそのことが、妹をもたぬ豹一の心を思い掛けず遠く甘くゆすぶって来たのだった。
夜汽車の窓を見る気持に似ていた。豹一は晩春の宵の生暖い風を頬に感じた。 「何故妹....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
頭を冷してるのもあれば、煙管で額へ突支棒をして、畳へ※めったようなのもある。……
夜汽車が更けて美濃と近江の国境、寝覚の里とでもいう処を、ぐらぐら揺って行くようで....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
で来たが私が避暑地の人達に聞かれるのを嫌がるので、)主人今朝大阪より此処へ戻る。
夜汽車の疲れを見せてH屋の表門を主人がはいるや、麻川氏はいそいそ出迎えて呉れる。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
間に生き生きした気分を感じて、いつも愉快に思う。 汽車の出たあとの静けさ、殊に
夜汽車の汽笛のひびきが遠く消えて、見送りの人々などが静かに帰ってゆく。その寂しい....
「古狢」より 著者:泉鏡花
。 旅行はどうしてしたでしょう。鹿落の方角です、察しられますわ。霜月でした――
夜汽車はすいていますし、突伏してでもいれば、誰にも顔は見られませんの。 温泉宿....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ござる。時に道を教えて下された、ああ、尊さ、嬉さ、おん可懐さを存ずるにつけて……
夜汽車の和尚の、室をぐるりと廻った姿も、同じ日の事なれば、令嬢の、袖口から、いや....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
に、きざみ昆布のつくだ煮か、それはいい、あろう事か、朝酒を煽りつけた勢で、通しの
夜汽車で、疲れたのを顧みず――時も八月、極暑に、矢声を掛けて駆昇った事がある。…....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
るのは余り好い意味でないらしいと、佐山君はひそかに想像していた。それから三日目の
夜汽車で向田大尉の一家族はいよいよここを出発することになった。大尉は出発の時刻を....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
をしますよ。……その時分には、降るように蛍が飛んで、この水には菖蒲が咲きます。」
夜汽車の火の粉が、木の芽峠を蛍に飛んで、窓にはその菖蒲が咲いたのです――夢のよう....
「火薬庫」より 著者:岡本綺堂
るのは余り好い意味でないらしいと、佐山君はひそかに想像していた。それから三日目の
夜汽車で向田大尉の一家族はいよいよここを出発することになった。大尉は出発の時刻を....
「キド効果」より 著者:海野十三
いう時刻にこの博克図駅を問題の列車は興安駅の方へ向って進発したのだった。長時間の
夜汽車だったもので、室内は煙草のひどい煙と、悪食乗客の口臭と、もう随分永く女なし....
「山の湯の旅」より 著者:上村松園
た。 この時の一行は、私と松篁の外に、松篁のお友達が二、三人加わっていました。
夜汽車で京都を出まして、夜の引明け頃松本から乗合で出ました。するとまだ朝の気が立....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の時は少々|擽ったかった。やがて、その京人形に、停車場まで送られて、木菟が。……
夜汽車で飛ぶ。」…… 「いらっしゃいまし、ようこそ。――路之助も一度お伺い申した....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
その間に生々した気分を感じて、いつも愉快に思う。 汽車の出たあとの静けさ、殊に
夜汽車の汽笛のひびきが遠く消えて、見送りの人々などが静に帰ってゆく。その寂しいよ....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
国へ渡って来て、あたかもそれを見物する機会を得ました。わたしがサンフランシスコを
夜汽車で出発して、ロスアンゼルスの町に着いたのは三月の十九日で、ホテルに入って新....