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夜烏
「夜烏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜烏の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「睡蓮」より 著者:横光利一
後のものらしく円熟した透明な名残りをとどめている。 「しののめはあけそめにけり小
夜烏天空高く西に飛びゆく」 「大いなるものに打たれて目ざめたる身に梧桐の枯葉わび....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
とやがてだ。 二三度続け様に、水道尻居まわりの屋根近な、低い処で、鴉が啼いた。
夜烏も大引けの暗夜だろう、可厭な声といったら。 すたすたとけたたましい出入りの....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
たいものだ」 「星が飛んだ!」 とまた誰かが云った。 虫の声が鳴きつづけた。
夜烏がひとしきり梢で騒いだ。おおかた夢でも見たのだろう。 窩人達は眠ろうとした....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ろくして古おもほゆ」の感と相通じているのである。 ○ 暁と
夜烏鳴けどこの山上の木末の上はいまだ静けし 〔巻七・一二六三〕 作者不詳 第三....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ありゃアしない。弱虫ばっかりそろっていて――」
丹波の苦笑の顔を、月に浮かれる
夜烏の啼き声が、かすめる。
「当方が弱いのではござりませぬ。先方が強いので」
「....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
がよい。ああせめてよい夢でも。……」 枕にはついたが眠れない。 犬の遠吠え、
夜烏の啼く音、ギーギーと櫓を漕ぐ音。……隅田川を上るのでもあろう。 寂しいなア....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
ぬ。 じっさい守人は、このごろ毎晩のように歩きまわるのだ。月が照れば照ったで月
夜烏のように、雨が降れば降ったで雨を切ってぬれ燕《つばめ》の飛ぶように、かれは夜....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
けさては村様か目が足りなんだとそのあくる日の髪結いにまで当り散らし欺されて啼く月
夜烏まよわぬことと触れ廻りしより村様の村はむら気のむら、三十前から綱では行かぬ恐....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
紅梅。 この弥生から風説して、六阿弥陀詣がぞろぞろと式部小路を抜ける位。 月
夜烏もそれかと聞く、時鳥の名に立って、音羽|九町の納涼台は、星を論ずるに遑あらず....
「西瓜」より 著者:永井荷風
つる。八重はあしたの晩、哥沢節《うたざわぶし》のさらいに、二上《にあが》りの『月
夜烏《つきよがらす》』でも唱《うた》おうかという時、植込の方で烏らしい鳥の声がし....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
後《もみやまていご》君と共に月刊雑誌『文明』なるものを編輯していた時、A氏は深川
夜烏という別号を署して、大久保長屋の事をかいた文を寄せられた。今その一節を見るに....