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「夜眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夜眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「白蛇の死」より 著者:海野十三
ついた。頸から、はだけた胸のあたりまで、日頃自慢にしていた「白蛇」のような肌が、夜眼にもくっきりと浮いている。のけぞっているので、髷は頭の下に圧しつぶされ、赤い....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
の予期したものがみつかった。明らかにそこからスキーをつけたと思われる乱れた跡が、夜眼にもハッキリ残されていた。そしてその乱れた跡から二筋の条痕が滑り出して、生垣....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
夢見るような大輪の白い木蘭の花は小山田邸の塀越しに咲き下を通る人へ匂いをおくり、夜眼にも黄色い連翹の花や雪のように白い梨の花は諸角邸の築地の周囲を靄のように暈し....
「酒友」より 著者:田中貢太郎
というほどであった。だから枕もとには、平生酒を置いてないことがなかった。 ある夜眼が醒めて寝がえりをしてみると、人といっしょに寝ているような気がしたが、しかし....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
その娘が再びしとやかに現われた時、また「美しいな」と思ったものである。 お露は夜眼にも知れるほど顔を赧らめもじもじしたが、 「むさくるしい処ではございますが、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
黒く顕われたのは、鬣から尾に至るまで六尺、長の高きこと三尺、全身墨のごとくにして夜眼一点の白あり、名を夕立といって知事の君が秘蔵の愛馬。島野は一目見て驚いて呆れ....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
と云う声が聞こえてきた。 はっと驚いて声の来た方を、夜鷹はじっと隙かして見た。夜眼にも華やかな振袖姿、一人の娘が川下から脛もあらわに走って来たが、 「助けて！....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
内へ入って探さなければならぬ」 「兄上！ しかし、そればかりは……」と主馬之進は夜眼にも知られるほどに、顔色を変え胴顫いをし、 「ご勘弁を、平に、ご勘弁を！」 ....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
行手にあたって十八九の娘がにわかに胸でも苦しくなったのか、枯草の上に倒れていた。夜眼にも美しい娘である。 「や、綺麗な娘ではないか」 「こいつはとんだ好い獲物だ....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
鼻はひしゃげて神楽獅子を想わせ、口は大きく横へ裂けて欠けた前歯がまばらに見える。夜眼にもクッキリ顔色は……白くはなくて黒いのだ。四尺足らずの小兵ではあり、全体が....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
と、下駄を脱いで、手拭いで包み、グイと懐中へ捻じ込んだ手で、衣裳の裾の高端折り、夜眼にも著るくヌッと出る脛を、虻が集かったかバンと打ち、掌を返すと顎を擦り、じー....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
家の不幸のために泣いた涙とは違い、歓喜と希望と愛情とに充ちた涙であった。栞の頬は夜眼にも著く赤味｜注していた。頼母は、何が栞をそうまで感動させたのか解らなかった....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
人物らしく見えた。 問題の塔は正面入口のすぐ右側に、四方硝子の戸棚に収められ、夜眼にもそのすべすべした豊麗な膚は清い色を放って居た。曲者の飛び出した窓は、地上....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
家が、月光に全身をあびせたまま、いと誇り顔に立っているではござりませぬか。（間）夜眼にもしかと認めたのは、紫の袍と、桂の冠と、銀の竪琴とでござりました。そして銀....
「生不動」より 著者:橘外男
を閉め出すやら、未だかつて私は、生れてこれほどの凄じい光景を見たことがなかった。夜眼にも仄白い雪の街路を転がり廻っているこの紅蓮の焔の周囲を遠巻きにして、黒い人....