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「夜逃げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夜逃げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
捨児」より 著者:芥川竜之介
開いていましたが、株に手を出したばっかりに、とうとう家産を蕩尽《とうじん》して、夜逃げ同様|横浜《よこはま》へ落ちて行く事になりました。が、こうなると足手まとい....
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
と狂って、小さい身代の有りたけを投げ出してもまだ足りないような破滅に陥った。もう夜逃げよりほかはない。彼は女房と一人の伜とを置き去りにして、どこへか姿を隠してし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
錠をこじあけてはいってみると、狭い家のなかは別に取り散らした様子もみえなかった。夜逃げをするならば何か持ち出しそうなものである。どこへか泊まりに行ったならば、往....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
してね。おきんのゆくえが知れなくなると、それから半月ばかり経って、これも何処へか夜逃げのように姿を隠してしまいました。なんでも博奕場で喧嘩をして、人に傷をつけた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
驚いたが今さら仕方がない。夫婦はその晩のうちに旅支度をして、六本の蝋燭をかかえて夜逃げをしてしまったんです。 それからひと先ず京都へ行って、どういうふうに誤魔....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
孤芳は太宗寺のそばを立ち退いてしまったと報告した。女絵師は突然に世帯をたたんで、夜逃げ同様に姿をかくしたので、近所でもその引っ越し先を知らないと云うのであった。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そいつはなかなか素捷い奴で、山城屋の女房と女中が奉行所へ呼ばれたと聞くと、すぐに夜逃げをして、どこへ行ったか判らなくなったんです。そのうち例の瓦解で、江戸も東京....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ですよ。……どうせ真ともな女じゃないわ。あんな夜更けに引越してくるなんて。つまり夜逃げをして来たわけなのよ」 そういってお照は、軽蔑の色を浮べ、隣家の方に向っ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
八郎は新発田に生れた。何かで失敗して、近所じゅうに借金を残して、天秤棒一本持って夜逃げしたんだそうだ。が、あの通りの大富豪になり、ことには男爵になるに及んで、そ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
果たしてそれが事実であったので、弟は面目を失って、妻を捨て、子を捨てて、どこへか夜逃げをしてしまった。その資産はとどこおりなく兄に引き渡された。 由来、滴血の....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
はどこへか出て行って、二時間も三時間も帰って来ないので、あいつ、極まりが悪いので夜逃げでもしたのじゃあないかと言っていると、夜が更けてこっそり帰って来たそうです....
」より 著者:岡本綺堂
江戸にはいられない。そこで二人は相談して、ひとまず奥州路に身を隠すことになって、夜逃げ同様にここまで落ちて来ると、うしろから怪しい奴がつけて来る。それが捕り方ら....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
姿をくらましていた。 ひとにきけば、湯崎より逃げかえった翌日、お千鶴と一緒に、夜逃げしてしまったということだった。ここらあたりから急に悪趣味になって来た「真相....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
広いそうだから御存知あるまい」という。「有名な人か」と聞いたら、「村で失敗して、夜逃げのようにして往ったのだ」という。人口二百万という数は、この人たちには見当が....
婚期はずれ」より 著者:織田作之助
っくりした眼をして、花井にお茶など出していた。 ところが、ある夜、花井|母子は夜逃げしてしまい、どうやら主人の金で株をして穴をあけたためだと、あとで分った。し....