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夜道
「夜道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
敷に包んだ書物を取り上げた。もう何んにもすることはなかった。座を立った。
暗い
夜道を急ぎ足で歩きながら園は地面を見つめてしきりに右手を力強く振りおろした。
....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
……真の暗がりに、もう何んにも見えなかった。 雨は小止《こやみ》で。 織次は
夜道をただ、夢中で本の香《か》を嗅《か》いで歩行《ある》いた。 古本屋は、今日....
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
巧みにつかえますねえ、あのように活用するといいと思いますよ。両手に荷物をもって、
夜道などするときは第三の腕で、懐中電灯をもちます」 「まあ、このへんのところでご....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
だってもう十二時過ぎだぜ」 「怖かあないわ。こう見えたって白蛇のお由さんだもの。
夜道なんか平気よ」 「じゃ、其処まで送って行こう」 「無論だわよ」 お由はまだ....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
悪いだね、冷えてはなんめえ。」樹立の暗くなった時、一度|下して、二人して、二人が
夜道の用意をした、どんつくの半纏を駕籠の屋根につけたのを、敷かせて、一枚。一枚、....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
が夢のようだから、御当人たちは現かも知れねえ。 でその二人は、そうやって、雪の
夜道を山坂かけて、どこへ行くんだと思召す。 ここだて――旦那。」 藤助は息継....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ますとね、停車場も汽車も居なくなって、町でしょう、もう日が、とっぷり暮れている。
夜道の落人、ありがたい、網の目を抜けたと思いましたが、さあ、それでも追手が掛りそ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
浅く、奥に、表に、千鳥がけに、ちらちらちらちら、吸殻も三ツ四ツ、地に溢れて真赤な
夜道を、人脚|繁き賑かさ。 花の中なる枯木と観じて、独り寂寞として茶を煮る媼、....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
ります。 私はここから四十里余り隔たった、おなじ雪深い国に生れたので、こうした
夜道を、十町や十五町|歩行くのは何でもないと思ったのであります。 が、その凄じ....
「兜」より 著者:岡本綺堂
荷物があって、その持ち抱えが不便であるので、彼は兜をかぶることにして、月の明るい
夜道をたどって来ると、図らずもかの災難に出逢ったのであった。最初から辻斬りのつも....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
美しくても素性の怪しい女。どんな間違いが生ぜぬとも限らぬと思って。 「いや、私は
夜道をする。大病人を見舞の為だ。事に依ると早駕籠にするか。兎に角夜通しで江戸へ行....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
出すと、尖った銀杏返を、そそげさして、肩掛もなしに、冷い頸をうつむけて、雨上りの
夜道を――凍るか……かたかたかたかたと帰って行く。…… 土地に大川|通がある。....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
厄介になったものと見える。 淡島堂のお堂守となったはこれから数年後であるが、一
夜道心の俄坊主が殊勝な顔をして、ムニャムニャとお経を誦んでお蝋を上げたは山門に住....
「影」より 著者:岡本綺堂
(恐怖の眼を表へ向けて。)あれ、来たよ、来たよ。 ※今宵も逢おうと、闇の
夜道を唯ひとり。 重兵衛 成ほど、だれか歌いながら来るようだ。聞き慣れねえ声だか....
「心霊の抱く金塊」より 著者:大倉燁子
飛んで行くように――、渓流に沿うて歩いたり、岩の間を潜ったり、下へ下へと降りる。
夜道に馴れない私はただ霊媒の後姿を唯一の頼りにしているだけである。やがて、自然に....