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夢
「夢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
笛がうまいな。己《おれ》はずっと昔から山奥の洞穴《ほらあな》で、神代《かみよ》の
夢ばかり見ていたが、お前が木を伐《き》りに来始めてからは、その笛の音に誘われて、....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
かった事ですからな。」
「さようでございます。手前も二度と、春に逢おうなどとは、
夢にも存じませんでした。」
「我々は、よくよく運のよいものと見えますな。」
二....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
》にピアノの音《ね》でもすると、その家の外に佇《たたず》んだまま、はかない幸福を
夢みているのですよ。
主筆 それじゃ折角《せっかく》の小説は……
保吉 まあ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
うし》になることなどを考え出した。が、そのうちに眠ったと見え、いつかこう言う短い
夢を見ていた。
――それは何《なん》でも夜更《よふ》けらしかった。僕はとにかく....
「運」より 著者:芥川竜之介
れが、三七日《さんしちにち》の間、お籠りをして、今日が満願と云う夜《よ》に、ふと
夢を見ました。何でも、同じ御堂《おどう》に詣《まい》っていた連中の中に、背むしの....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ることは出来ません。現に目の前の香炉の火や、印度人の婆さんの姿でさえ、気味の悪い
夢が薄れるように、見る見る消え失せてしまうのです。 「アグニの神、アグニの神、ど....
「狂女」より 著者:秋田滋
。死んだ人たちのことでも考えていたのだろうか。はッきりした記憶もなく、ただ悲しい
夢ばかり見つづけていたのだろうか。それともまた、思想というものが跡形もなく消え失....
「墓」より 著者:秋田滋
ている墓番は、台所のなかへ入れておいた飼犬がけたたましく吠えだしたので、その声に
夢を破られた。 すぐに寐床を降りていってみると、どうやら小屋のまわりをルンペン....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
木曜日にかけての深更、某街四十番地所在の家屋に住む者は連続的に二発放たれた銃声に
夢を破られた。銃声の聞えたのは何某氏の部屋だった。ドアを開けてみると借家人の某氏....
「初雪」より 著者:秋田滋
その翌日も同じようなことをして暮してしまった。こうして、まる一週間というものは、
夢のように過ぎ去った。 それから、彼女は家のなかを片づけ出した。これがたッぷり....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
も「風邪の心地なれば」とて辞し、夜食早くしたためて床に入りしが、既往将来の感慨に
夢も結ばず。雁の声いとど憐なりし。峠を越え山を下り野にはいろいろの春の草、峰にも....
「寡婦」より 著者:秋田滋
た挙句の果に、かれこれ六十五にもなろうという年をして、自分のところの小作人の娘に
夢中になってしまいました。私はその男も女もよく識っております。その娘は金色の頭髪....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
そこは心地よいまどろみの国。
夢は半ばとじた眼の前にゆれ、 きらめく楼閣は流れる雲間にうかび、 雲はたえず夏空....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
残りものを食べて露命をつなぎ、夜はまた夜で、寒さに悩みながら冷たい板の間で旅寐の
夢をむすぶ身となった。こうした苦労がつもり積って、夫婦はめっきり体が弱ってしまっ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
燃え上った十年、作家生活の火華は火華を産ンで、花火線香の最後に落ちる玉となって消えた
夢野久作、その火華は、今十巻の全集となって、世に出ようとしている。 久作さんを....