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夢にも
「夢にも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夢にもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
この酒飲みの、狡猾《こうかつ》な、卑しい老人の口から、こういう昔語りを聞こうとは
夢にも思っていなかった。いや、むしろ、この老人に、人並みの感情があるかどうか、そ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
にかかりますな。どうも曲亭《きょくてい》先生が朝湯にお出でになろうなんぞとは手前
夢にも思いませんでした。」
老人は、突然こう呼びかける声に驚かされた。見ると彼....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
てあるではございませんか。まさかそうまで御姫様が、思いつめていらっしゃろうとは、
夢にも思召《おぼしめ》さなかったのでございますから、鴉の左大弁様は悲しいとも、嬉....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ることは一再《いっさい》ならず空想している。しかし粟野さんに金を借りることはまだ
夢にも見た覚えはない。のみならず咄嗟《とっさ》に思い出したのは今朝《けさ》滔々《....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
また舟へ帰って来た。
「ところがその晩舟の中に、独りうとうとと眠っていると、僕は
夢にもう一度、あの酒旗の出ている家《うち》へ行った。昼来た時には知らなかったが、....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
がい》に思ったのは「な」の字さんばかりではありません。この町の人々もそんなことは
夢にも考えなかったと言うことです。若し少しでもその前に前兆《ぜんちょう》らしいこ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
かった事ですからな。」
「さようでございます。手前も二度と、春に逢おうなどとは、
夢にも存じませんでした。」
「我々は、よくよく運のよいものと見えますな。」
二....
「路上」より 著者:芥川竜之介
まであの黒木綿の紋附にそんな脂粉《しふん》の気が纏綿《てんめん》していようとは、
夢にも思いがけなかった。そこで思わず驚いた声を出しながら、
「へええ、あれで道楽....
「竜」より 著者:芥川竜之介
《えいんほうし》はまさかあの建札を立てたばかりで、これほどの大騒ぎが始まろうとは
夢にも思わずに居りましたから、さも呆れ返ったように叔母の尼の方をふり向きますと、....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ある。――老紳士は本間さんの顔を眺めながら、満足そうに微笑した。
「先生とは実際
夢にも思いませんでした。私こそいろいろ失礼な事を申し上げて、恐縮です。」
「いや....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
かを御考えになるべきでしょう。たとえば、閣下の使用せられる刑事の中にさえ、閣下の
夢にも御存知にならない伝染病を持っているものが、大勢居ります。殊にそれが、接吻《....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
をさしたのは、ただ今でもはっきり覚えて居ります。
あの男がかようになろうとは、
夢にも思わずに居りましたが、真《まこと》に人間の命なぞは、如露亦如電《にょろやく....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
やりながら)わたしはあなたにすまない事をしました。あなたがこんな優しい方だとは、
夢にも知らずにいたのです。どうかかんにんして下さい。ほんとうにわたしはすまない事....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
はありません。なぜかといえばそれは二匹とも、形は見すぼらしい痩せ馬でしたが、顔は
夢にも忘れない、死んだ父母の通りでしたから。 「こら、その方は何のために、峨眉山....
「初雪」より 著者:秋田滋
間だった。世の中にはさまざまな生活があり、さまざまな快楽があるなどと云うことは、
夢にも考えてみたことはなく、現在の自分の生活、現在の自分の快楽に満足しきっている....