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夢に夢見る
「夢に夢見る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夢に夢見るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
東の方の林の間には、黄色い大きなお月様が、まんまるくさし昇っていた。 皆の者は
夢に夢見る心地がして、互にその不思議な術を驚き合いながら、この時やっと動くように....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
彼は床の上に目をさまして見て、およそ何時間ぐらい眠ったということも知らなかった。
夢に夢見る心地で彼があたりを見回した時は、本家の裏二階の方に日を暮らしている継母....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
又、今朝から今までの間に、そんなに非道く頭を打ったおぼえは一つもないのだが……。
夢に夢見る心地とは、こんな場合をいうのであろう。私はその痛みの上にソッと手を当て....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
でいた。 憲作は美人を徳市に紹介した。 僕の家内の美津子です…… 徳市は
夢に夢見るようにお辞儀をした。しきりに洋服の着工合を直した。しかし眼の前に御馳走....
「海底都市」より 著者:海野十三
てみた。青い皮で作ってある大きな蟇口。 (あっ、蟇口だ! 相当重いぞ!) 僕は
夢に夢見る心地で、蟇口をあけた。 (ほほッ、すばらしい! 金貨が入っている!) ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こんな方角ちがいの辺鄙《へんぴ》なところで、こうしてお目にかかろうということは、
夢に夢見るようなものです。 あの凜々《りり》しい、水の垂《したた》るような若い....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
ているからであった。 「おおここには日本人がいる! ここはいったいどこだろう?」
夢に夢見る心地と云うのはこの時の紋太夫の心持ちであろう。歌声は益※美しく聞こえて....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
家の奥家老である松浦頼母と、自分を襲った浪人の頭、飛田林覚兵衛がいるではないか!
夢に夢見るという心持、これが主税の心持であった。 「主税」と頼母は威嚇するように....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
聞き、茫然とした気持ちにならざるを得なかった。それは悲喜|交※の感情ともいえれば
夢に夢見る心持ちとも云えた。左門が自分の味方として現われ出て来たことは、何んとい....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
はお熊さんも同じ腹……」 半三郎の驚きはイヨイヨ倍加した。両手を膝に上げたまま
夢に夢見る呆れ顔になった。 赤猪口兵衛は赤い鼻の先で手を振った。 「そこじゃ、....
「魔都」より 著者:久生十蘭
うか、一種名状し難い酩酊状態が、さなきだに朦朧たる加十の大脳を麻痺させ、しんじつ
夢に夢見る心持。一向取り止めなくなって、あっけらかんと口を開いていたのである。
....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
一口にいえば、やや神秘的とも幻想的ともいえる雰囲気《アトモスフェル》の中に、ただ
夢に夢見る心持、昨夜も夕景から「|三匹の小猿荘《ヴィラ・トロワ・サンジュ》」の食....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
ろもあろうに、町奉行からの差紙は、何んとしても解せない大きな謎であった。歌麿は、
夢に夢見る心持で胸を暗くしながら、家主の指図に従って、落度のないように支度を整え....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
れ声のひとつひとつが天来の「声」と聴けた、世にも有難い神々の御託宣とおもわれた。
夢に夢見るとはこれこのことだろう、思いもかけない喜びに、身体中の隅々までがいっぺ....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
女に出逢おうなぞとは、夢にも思いません。呆気に奪られて私は洋杖を振り上げたまま、
夢に夢見る気持で、女の姿を見上げていたのです。 しかも、見れば見るほど何という....