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夢の世
「夢の世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夢の世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「源おじ」より 著者:国木田独歩
ふもと》には村あり、村々の奥には墓あり、墓はこの時|覚《さ》め、人はこの時眠り、
夢の世界にて故人|相《あい》まみえ泣きつ笑いつす。影のごとき人今しも広辻を横ぎり....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
いくらい疲れた体を、古綿を千切って捨てるように、夜具の上へ投げ出した途端に、もう
夢の世界だった。 夢の中で、京吉と踊っていた。ぐっしょりと汗をかきながら、踊っ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
れないのではないかとも疑った。 その晩に、千枝松は不思議な夢をみた。 第一の
夢の世界は鉄もとろけるような熱い国であった。そこには人の衣《きぬ》を染めるような....
「あの時分」より 著者:国木田独歩
たものです。 そうすると、私もただ乱読したというだけで、樋口や木村と同じように
夢の世界の人であったかも知れません。そうです、私ばかりではありません。あの時分は....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は聊か便りのよい架け橋を渡って来たとも云い得られる。しかし、その遠いむかしの夢の
夢の世界は、単に自分のあこがれを満足させるにとどまって、他人にむかっては語るにも....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
いたらここまでくるどころか、山中へ一泊しなくてはならなかっただろう等と思いながら
夢の世界へ沈んで行きました。 五月一日、午前六時宿を出て、兵庫焼へと深い谷を登....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
の十日あまり六日にや、秋露に侵されさせ給ひて崩れましましぬと聞えし。寝るが中なる
夢の世、今に始めぬ習ひとは知りながら、かず/\目の前なる心地して、老の涙もかきあ....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
。 ――と危いところで欺されようとして助かったよ。ねえ君、お互はやっぱり、いま
夢の世の中に居るんだよ。…… そのとき入口の鉄扉がぎいーっと開いた。そして私の....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
ごちゃと、しかし一種の秩序を保って並んでいる風景は、田舎で育ってきた私にはまるで
夢の世界です。ぼうっとなって歩いているうちに、やがてアセチリン瓦斯の匂いと青い灯....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
どそれは、鏡に吹きかけた息のようなものであった。彼女をおびやかした、忌まわしい悪
夢の世界は、すべて何もかも、海中に没し去ってしまったのである。 そうしてフロー....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
色も形もない、透きとおった片雲のようなものが見出されるであろう。 その光りは、
夢の世界に漲っているそれに似て、色の褪せた、なんともいえぬ不思議な色合いであるが....
「おせん」より 著者:邦枝完二
はそういって、寂しそうに眉をひそめた。 五 夢から夢を辿りながら、更に
夢の世界をさ迷い続けていた菊之丞は、ふと、夏の軒端につり残されていた風鈴の音に、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
者と俳優憤慨――明治座創立――松過ぎの開場 明治二十六、七年(下) 人形芝居――
夢の世界――日清戦争――浅草座の大入り――書生芝居の基礎確立――歌舞伎側の敗北 ....
「島原の夢」より 著者:岡本綺堂
いささか便りのよい架け橋を渡って来たともいい得られる。しかしその遠いむかしの夢の
夢の世界は、単に自分のあこがれを満足させるにとどまって、他人にむかっては語るにも....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
椿姫ですって?」と私は呆れて彼の顔を見た。 青年は痛ましそうな表情をして、 「
夢の世界にいることが、彼女にとっては最上の幸福なのですよ。和製椿姫などとうたわれ....