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「夢を結ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夢を結ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
や麦畑が今しも斜陽静かに輝いている。僕らがその夜、疲れた足を踏みのばして罪のない夢を結ぶを楽しんでいる宮地という宿駅もこの窪地にあるのである。 『いっそのこと山....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
好い」 午後から引続いた長い訊問は之で終った。 支倉は淋しい独房で破れ勝ちな夢を結ぶ事になった。 翌朝も快い春めいた空だった。人々は陽気に笑いさゞめきなが....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
二十枚八銭の原稿紙を書きつぶす快味。たまには電気ブランの一杯もかたむけて、野宿の夢を結ぶジオゲネスの現実。面白くもないこの日常から、きりきりと結びあげたい気にも....
火星探険」より 著者:海野十三
は軽蔑《けいべつ》していた。 二人はその夜始めて道傍の林の中にキャンプを張って夢を結ぶことになった。それは非常にうれしいことだったので、食事がすみ、寝床ができ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の中へ温く身を丸め込んだのですが、単に温く丸め込んだというだけで、この場合、温い夢を結ぶわけにはゆかないのです。寝込んでしまうわけにはゆかないが、とにかく、こう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、女王としての権式を以て寝ね、女王としての支配を以て起きるのですから、放たれたる夢を結ぶということは、まずないことでした。 しかるに、今晩という今晩は、境《き....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
言わん方なき快感を催すのでありました。その快感に浸《ひた》されながら、枕について夢を結ぶのが十年一日の如く、この老人の習慣でありました。 そうかと言って、この....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
可いさ。君もなかなか話せる。 A 可いだろう。毎晩毎晩そうして新しい寝床で新しい夢を結ぶんだ。(間)本も机も棄てっちまうさ。何もいらない。本を読んだってどうもな....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
いのためか、正月の二日に、宝船《たからぶね》を枕《まくら》の下に敷き、めでたき初夢を結ぶことは、わが国古来の習俗で、いまもこの風《ふう》を行うものが何万の数に達....
アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
穂揃うすすきをわけて,宵まで鮭とる篝も消え,谷間に友呼ぶ鹿の音を外に,円かな月に夢を結ぶ.嗚呼なんという楽しい生活でしょう.平和の境,それも今は昔,夢は破れて幾....
暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
思わずも引きつけられて、厚顔しくも女に言い寄ると、案外容易に靡いて、二人は怪しい夢を結ぶ。ふと、喜平次が夜半に目を覚ますと、自分の傍に寝て居るのは、美人どころか....
妖怪学」より 著者:井上円了
よび睡眠より醒覚に至らんとするときに最も多し。熟睡のときは全脳休止するをもって、夢を結ぶこともなしといえども、その醒覚するや、一部は早く一部は遅く、また、眠りに....
妖怪報告」より 著者:井上円了
ありて、火上を渡りし夢を結び、冷水を入れたる鉄瓶に足の触るるありて、氷雪を踏みし夢を結ぶ等なり。 ○また、視感によりて夢を結ぶことあり。ある人、夢に極楽に遊び、....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
、睡眠中といえども、大脳中の一部分休息して、他の部分の識覚することあり。このとき夢を結ぶ。 しかして、その夢中に種々の思想の連起するは、さきに示すところの連想....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
した疑問を抱きながらも、寝台や羽根蒲団は、相変らずふくふくとして柔らかく、円かな夢を結ぶには、好適この上もありません。考え込んでいるうちに、蝋燭の仄な光でまた私....