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夢を見る
「夢を見る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夢を見るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
た。
「やっと芝居が無事にすんだね。おれはお前の阿父《おとう》さんに、毎晩お前の
夢を見ると云う、小説じみた嘘をつきながら、何度|冷々《ひやひや》したかわからない....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
い峯《みね》の頂を窮め、越え難い海の浪《なみ》を渡り――云わば不可能を可能にする
夢を見ることがございます。そう云う夢を見ている時程、空恐しいことはございません。....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
度が過ぐればかえって熟睡を得られない。夜中幾度も目を覚す。僅かな睡眠の中にも必ず
夢を見る。夢はことごとく雨の音水の騒ぎである。最も懊悩に堪えないのは、実際雨が降....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
も見なかった。緋の毛氈は、何処のか座敷から柳の梢を倒に映る雛壇の影かも知れない。
夢を見るように、橋へかかると、これも白い虹が来て群青の水を飲むようであった。あれ....
「蠅男」より 著者:海野十三
片を置いたように紅かった。 帆村の魂は恐怖の谷からたちまち恍惚の野に浮き上り、
夢を見る人のようにベッドの上の麗人の面にいつまでも吸いつけられていた。 「なぜだ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
私は神経がするどい方であり「警報を聞きのがしてはならぬ」と思って眠るので、こんな
夢を見るのであろうが、ひとつ眠り方を変えなければならないと思う。 ◯隣組の防火班....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
ごくかな。ごくらくだろうか」 「まさかね。でも、わけがわからないや。死んでからも
夢を見るのかな。あっ、ポコちゃん、外は明かるいよ。太陽の光りだ」 山ノ井は窓を....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
が見る夢は、たいへん奇妙でもあり、そして随分しっかりした内容をもっていて、あまり
夢を見ることのない私などにとっては、美しくもあれば、ときにはまた薄気味わるく感ず....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
「いいえ、手毬の歌が聞きたいのです。」 と、うっとりと云った目の涼しさ。月の
夢を見るようなれば、変った望み、と疑いの、胸に起る雲消えて、僧は一膝進めたのであ....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
揉んでおりました。それがあの、病の原因なんでございましょう。 昼も夜もどっちで
夢を見るのか解りませんような心持で、始終ふらふら致しておりましたが、お薬も戴きま....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
い直した、余り唐突と心付いて、 「そういうお心持でうたた寐でもしましたら、どんな
夢を見るでしょうな。」 「やっぱり、貴下のお姿を見ますわ。」 「ええ、」 「此処....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
縫って、すうすうと尾長鳥が飛んでいる。 長閑に、静な景色であった。 と炎天に
夢を見る様に、恍惚と松の梢に藤の紫を思ったのが、にわかに驚く! その次なる烏賊の....
「妖怪談」より 著者:井上円了
夢なぞを見るようになります。これがもっとひどくなりますと、普通さめておるときに、
夢を見るものでございます。もちろん夢を見ておるときには、夢とは思いませぬものです....
「迷信解」より 著者:井上円了
よりて、わが心内より幽霊の妄想を浮かべ、幻影を見るのである。されば、幽霊は一種の
夢を見ると心得ても差し支えない。そのくわしき説明は心理学の問題なれば、ここに尽く....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
まり夢を見ないようにしてくれと云われるんですか』 『そうなんです』 『一体どんな
夢を見るんです?』 『それが――。実に、厭な、不愉快な夢で、しかも毎晩同じものを....