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「夢寐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夢寐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
白《あおざ》めて戦《おのの》きぬ。この俊爽なる法官は実に渠が三年《みとせ》の間|夢寐《むび》も忘れざりし欣さんならずや。渠はその学識とその地位とによりて、かつて....
新生」より 著者:島崎藤村
。国に帰ることは、彼には赦《ゆる》されることであった。五十五日の船旅の後で、彼は夢寐《むび》にも忘れることの出来ない土を踏んだ。そうして自分の子供の側まで帰って....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、其れは――其れは大変です、何うしても死なねば成りません、皆なの為に」と呟いた。夢寐《むび》の間にも此の語を吐くは如何に思い決して居るかが分る、殊に「皆なの為」....
石狩川」より 著者:本庄陸男
ら乗って来たなじみのこの船に、また乗って、再びそのオダルに漕ぎ渡ろうとしている。夢寐《むび》にも忘れなかった郷里《くに》もとに、二年ぶりで、云わば心ときめかして....
日は輝けり」より 著者:宮本百合子
手に力をこめた。 「もう一息!」 と、思った瞬間、 「お母さん※」 咲二の――夢寐《むび》にも忘られない咲二の声が彼女の耳元で叫んだ。 「お母さん※」 ハッ....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
京亮輝聡の家来で、本郷|弓町に住んでいた。 抽斎は時々譫語した。これを聞くに、夢寐の間に『医心方』を校合しているものの如くであった。 抽斎の病況は二十八日に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れば幼い時の面影に、年ばえは年ばえのように、婆は婆のように、宇治山田の米友には、夢寐《むび》にもその面影を忘るることができないでいたのに、ここへ来て、初めて正真....
源氏物語」より 著者:紫式部
御息所の霊が宙宇にさまよって、どんな苦しみを経験しておいでになることかとは中宮の夢寐にもお忘れになれないことで、今も人に故人を憎悪させるばかりである名のりを物怪....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
《いわ》く、 「およそ人心《じんしん》の裏《うち》絶《た》えて無《な》きのこと、夢寐《むび》に形《あらわ》れず、昔人《せきじん》謂《い》う、男《おとこ》、子《こ....
九条武子」より 著者:長谷川時雨
けれ百人《ももたり》千人《ちたり》讃《たた》へてもわがよしとおもふ日のあらざれば夢寐《むび》の間《ま》も忘れずと云《い》へどわするるに似たらずやとまた歎けりここ....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
女は物思いがちになり、当のセルゲイに対しても、愛想のない顔を見せるようになった。夢寐の間だろうが、店の采配を振っている最中だろうが、神に祈りをささげる時だろうが....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
の御様子に拝されたと漏れ承りました。 「今年こそは、果たさなくては相すまぬ」と、夢寐にも、思いつづけて来たとはいえ、御恩命を拝してから二十一年の歳月を経たことは....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
「頭よりすらすらと言い下し来たる」者の解し得ざるところ、しかも洒堂、凡兆らもまた夢寐《むび》にだも見ざりしところなり。客観的の句は複雑なりやすし。主観的の句の複....
巷の声」より 著者:永井荷風
何であろう。民衆主義の悪影響を受けた彼等の胸中には恐怖畏懼の念は影をだも留めず、夢寐の間にも猶忘れざるものは競争売名の一事のみである。聞くところによれば現代の小....
西航日録」より 著者:井上円了
一、千万里之心通、薈諸哲心肝于一堂、鎔大地精英于一籠、藐茲丈室与天穹窿羹牆如見、夢寐相逢、諸星方寸億劫且暮、待来者之折衷。 孔子二千四百五十三年康有為 題 ....