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「夢想家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夢想家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ていたのは、この理想的な性情だけで、ここへ来ると彼はむしろ、もう一時代前の政治的夢想家に似通《にかよ》っている所があったようです。 「その証拠は彼が私と二人で、....
或る女」より 著者:有島武郎
こんなことまで比較に持ち出すのはどうか知らないが、木部氏のような実行力の伴わない夢想家は、わたしなどは初めから不賛成だった。今度のはじたい段が違う。葉子さんが木....
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
ければなりません。 しかしダルガスはただに預言者ではありませんでした。彼は単に夢想家《ゆめみるもの》ではありませんでした。工兵士官なる彼は、土木学者でありしと....
フォスフォレッスセンス」より 著者:太宰治
よ。」 「あら、お母さん、それは夢よ。」 この二人の会話に於いて、一体どちらが夢想家で、どちらが現実家なのであろうか。 母は、言葉の上ではまるで夢想家のよう....
東京八景」より 著者:太宰治
年などと、そんな突飛な事は言い出せるものでない。私は、ひとりよがりの謂わば詩的な夢想家と思われるのが、何よりいやだった。兄たちだって、私がそんな非現実的な事を言....
新ハムレット」より 著者:太宰治
形而上の山師。心の内だけの冒険家。書斎の中の航海者。つまり、僕は、とるにも足らぬ夢想家だ。あれこれと刺戟を求めて歩いて、結局は、オフィリヤなどにひっかかり、そう....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
かのまぼろしの女がわたしに笑いかけているではないか。諸君は、わたしを懲り性のない夢想家だと笑うかもしれないが、ともかくもその靄が消えるとともに、彼女の顔も玲瓏た....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
トムスキイの言葉は、舞踏中によくあるならいの軽い無駄話に過ぎなかったが、この若い夢想家のリザヴェッタの心に深く沁み込んだ。トムスキイによってえがかれた半身像は、....
楠の話」より 著者:豊島与志雄
かは私には分らなかった。ただ今になって考えると、凡ては父が余りに寛大なお殿様式な夢想家だったことから由来したものらしい。 そういうことを、私によく分らないよう....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
だ。 今新潟で弁護士の伴純という人が、そのころは「改造」などへ物を書いており、夢想家で、青梅の山奥へ掘立小屋をつくって奥さんと原始生活をしていた。私も後日この....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
てする人は、むしろ天性の俗物であろうが、しかし空想で終らずに本当に着手するには、夢想家にしても、山師にしても、並のものではない。彼は戦争中は猛烈な神がかりで、私....
火の扉」より 著者:岸田国士
として、北原ミユキはその清純な詩風をまず愛したのである。 彼女にとつて、詩人は夢想家であり、彼女を生み育てた土地にいちばん欠けているのは詩であり、夢であつた。....
砂子屋」より 著者:太宰治
う存じます。書房主山崎剛平氏は、私でさえ、ひそかに舌を巻いて驚いたほどの、ずぶの夢想家でありました。夢想家が、この世で成功したというためしは、古今東西にわたって....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
を軽蔑しよう。……俺は恋なぞと云う愚劣なものは全く信用しないからな。俺は大体、「夢想家」と云う奴は軽蔑するんだ。……しかし、清原。俺には分らん。……君は親友との....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
さらに遡れば、エセックス家はエドワード三世の子孫にもあたる。父初代エセックスは、夢想家であり――道徳的で、しかも不幸な人だった。十字軍精神をもってアイルランド鎮....