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「夢魂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夢魂の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
来し方もさすがに思わざるにはあらず。海気は衣を撲《う》って眠《ねむ》り美ならず、夢魂《むこん》半夜|誰《た》が家をか遶《めぐ》りき。 二十七日正午、舟《ふね》....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
眺めんキトウスの月」と関翁の歌うた其キトウスの山は、彼奥にあるのだ。而して関翁の夢魂常に遊ぶキトウス山の西、石狩岳十勝岳の東、北海道の真中に当る方数十里の大無人....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
の男児である。来年卒業証書を握ったらべそ子嬢に結婚を申込もうなんと思い寐《ね》の夢魂|七三《しちさん》にへばりつくのとは些《ちと》違って居た。 諸老臣の深根|....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
お雪ちゃんは山城田辺の中川健斎方へ引取られることになる。竜之助は大谷風呂にいて、夢魂夜な夜な京に通う。 道庵先生は相変らず泰平楽を並べて、酒に隠れているが、安....
東上記」より 著者:寺田寅彦
など面白し。甲板をあちこちする船員の靴音がコツリ/\と言文一致なれば書く処なり。夢魂いつしか飛んで赴く処は鷹城のほとりなりけん、なつかしき人々の顔まざ/\と見て....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
ると、夢にこれを見るものならん。はたしてそうならば、睡眠《すいみん》中のいわゆる夢魂《むこん》によっていわゆる醒覚《せいかく》中の真意が何処《いずこ》にありしか....
三国志」より 著者:吉川英治
です。太師には、今お目ざめですか」と、常と変らない態を装って礼をした。 春宵の夢魂、まだ醒めやらぬ顔して、董卓は、その巨躯を、鴛鴦の牀に横たえていたので、唐突....
三国志」より 著者:吉川英治
の水天、夜いよいよ深く 万条の銀蛇、躍るが如し 戦鼓鳴を止めて、舷々歌う 幾万の夢魂、水寨にむすぶ 魏の北岸の陣中で、誰か吟詠している者があった。旗艦に坐乗し....
私本太平記」より 著者:吉川英治
から帝は小机に倚って昼寝していた。そしていつかうつつないお姿だったが、とつぜん、夢魂を醒まされたご容子で、 「たれだっ」 と、水屋明りの方を、恐いお眼でにらま....
私本太平記」より 著者:吉川英治
て火みたいに熱く、羞恥もゆるしておかない気短なあらあらしい動作は、たちまち彼女に夢魂のさけびをあげさせずに措かなかった。――それは後宮の火宅を出て、また剣の門へ....