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夢魔
「夢魔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夢魔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
ff thy torpid night-mare dream. 即ち僕の願とは
夢魔《むま》を振い落したいことです!」 「何のことだか解らない!」と綿貫は呟《つ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、暗い光明のない闇の中から、パッと差し込んできた一条の光があった。滝人は、まるで
夢魔に襲われたような慌《あわ》てかたで、すっと立ち上がった。この孤独な地峡の中で....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
》がだんだん体じゅうにひろがり、とうとう心臓の上にまったくわけのわからない恐怖の
夢魔が坐《すわ》った。あえぎもがきながらこれを振いおとして、枕の上に身を起し、部....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
る。蠅取り紙にかかった蠅の気持ちはこんなものかという気がする。 天網のごとく、
夢魔のごとく、運命の神のごとく恐ろしいものは絹蒲団である。(昭和十年十一月、渋柿....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
来ない。これはおそらく教授のドッペルゲンガーのようなもので、そうして未来の悲運の
夢魔であり、眼前の不安の予覚である。これは監督苦心の産物かもしれないが、効果は遺....
「小浅間」より 著者:寺田寅彦
思った。そのときの印象がよほど強く深かったと見えて、それから長年月の後までも時々
夢魔となって半夜の眠りを脅かしたそうである。また同じ島に滞在中のある夜|琉球人の....
「早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
私はぐっすりと眠った。そして私の見たすべてのものは――というのはそれは夢でもなく
夢魔でもなかったのだから――私の寝ていた場所の周囲の事情からと、――私の普段から....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しは全く幸福であるといえたかもしれません。しかし唯ひとつの苦しみは、毎夜呪わしい
夢魔におそわれることで、貧しい村の司祭として終日自分の乱行を懺悔し、また滅罪の苦....
「見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
それにしても、彼等は被害者を一体どう処理したのだろう? 「喰ってしまったのか?」
夢魔がアンガスの耳に囁いた。しかししばし、寸断された人間の死体がこれ等すべての首....
「サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
をじいと見ていた、何かある醜い夢がそのまま姿を掻消すのを見守るもののように、彼は
夢魔に襲われた人のようにジッと立すくんだ。彼は証人として住所姓名を名乗った、が、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
る。私はこれらのことを書きながら、自分は夢でも見ているのか、あるいは何か恐ろしい
夢魔にでもおそわれているような心持ちがしてならない。 午後七時三十分。第二回の....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
にむかって歩みはじめたのです。 しかし、万が一の希望を繋いでいたとはいえ、あの
夢魔のように襲いかかってくる自殺したい衝動と、どんなに……闘うのが困難だったこと....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
夢のなかにさえ私をおびえさせるものが無数に出てくるしまつであった。明けがたには、
夢魔のようなものにうなされ、魔物に頸を締められるような気がしても、それを振りきる....
「麻酔剤」より 著者:田中早苗
って、どんなにやきもきしたことでしょう。一刻も早く覚醒する彼女を見たい、恐ろしい
夢魔を追い払ってしまいたいと、そればっかり念じていました。彼女はもう身動きはしな....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
は、ふとそう思った途端に、ぞおっと総毛だたんばかりの恐怖が身うちを突っぱしって、
夢魔も睡魔も一ぺんに消しとんでしまった。カテリーナ・リヴォーヴナは、ぐるりと部屋....