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「大きやか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大きやかの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
秀がほめてもほめてもほめ足りないような調子で書いた物の中にも形容してあるように、大きやかではあってもはなはだしく高くなく、嶺のさまは穏やかでけわしくなく、木立ち....
白くれない」より 著者:夢野久作
か西に傾き、夜もしら/″\と明け離るれば、遥か眼の下の山合深く、谷川を前にしたる大きやかなる藁屋根あり。浅黄色なる炊煙ゆる/\立昇りて半眠れるが如き景色なり。 ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
一書にたずねて詳にしたには、つぶし島田に前髪へ四本、後へ一本の簪をさし、俎板形の大きやかな櫛をさして飛白帷子に襦袢、帯は一つ結びにして扇は後ろに挟み、塗|木履を....
死者の書」より 著者:折口信夫
われた頃から、父は此二部を、自分の魂のように大事にして居た。ちょっと出る旅にも、大きやかな箱に納めて、一人分の資人の荷として、持たせて行ったものである。其魂の書....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
天地の回転は」というの、よく兄さんに似たところがあります。何というか、その回転の大きやかなテンポというか、味というか。富ちゃんはきっとこう書いてよ、「光陰矢の如....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
た樹かげ路からちらりと光る水で快くおどろき、そのおどろきが一歩一歩とひろげられて大きやかな河口の眺めとなる変化は、千葉にしては大出来です。 寿の家はすばらしい....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
横には妹たちが来た。 荘重なる音色、これが箏かと思われるほど、他の流とは異なる大きやかな、深みのある、そして幅広い弾奏だった。十三弦は暴風雨《あらし》を招《よ....
藪の鶯」より 著者:三宅花圃
。すこししわをよせて。口の中で手紙をよんでいるところへ。来かかりたる女生徒。目は大きやかなれどどこにか愛敬あるが。そっと障子を明けて。 女生徒「服部さん。あなた....
活人形」より 著者:泉鏡花
り附け、座敷の真中にずるずると、髷を掴んで引出し、押しつけぬ。形怪しき火取虫いと大きやかなるが、今ほど此室に翔り来て、赫々たる洋燈の周囲を、飛び廻り、飛び狂い、....