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大なり小なり
「大なり小なり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大なり小なりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
の眼に着く彼女の性格に結びつけて考えると、どうしても無事に納まるはずはなかった。
大なり小なり次の波瀾《はらん》が呼び起されずに片がつこうとは、いかに自分の手際に....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
のだ」 「どうだといって、彼女たちは金からモルヒネ剤の供給を断たれたわけだから、
大なり小なり、中毒症状をあらわして狂暴になったり、痙攣が起ったりする筈だと思うん....
「爛」より 著者:徳田秋声
二十四 「だけど私もう一度あんな気になって見たいと思うよ。若い時分には、
大なり小なり皆なそんなようなことがあったじゃないの。」 お雪は青柳が受け取った....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
な簡単な、周知の事実の場合には直ぐに気がつくが、多くの似而非《えせ》歴史小説は、
大なり小なり、此のたぐいであることは、容易にわかるものではない。稍もすれば、大衆....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
語ろう。 今があながち太平の世でも無い。世界大戦は済んだとは云え、何処か知らで
大なり小なりの力瘤《ちからこぶ》を出したり青筋を立てたり、鉄砲を向けたり堡塁《ほ....
「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
ラジオ、科学、美術の各専門技術家を予想している。 工場クラブ、労働者クラブは、
大なり小なり講堂をもっている。講堂の壁には、絵が欲しいではないか。工場委員会の文....
「顔を語る」より 著者:宮本百合子
ねるまで真直を見て足さぐりで進む。 人間のいい顔とはどんな顔つきをさすだろう。
大なり小なり、自分以外のものごとにしんからの同感が溢れている時の顔、それはなかな....
「死者の書」より 著者:折口信夫
幾重にもとり廻して、凡永久の館作りをした。其とおなじ様な気持ちから、どの氏でも、
大なり小なり、そうした石城づくりの屋敷を構えるようになって行った。 蘇我臣|一流....
「技術的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
技術的精神の先駆者だったからである。カンパネラやF・ベーコンやサン・シモン等が、
大なり小なりそうだった。尤もだからと云って、H・G・ウェルズなどが本当の近代精神....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
うになります。 しかるに現今のような状態では、印度の有様も、日本の有様も、単に
大なり小なりだけの相違であるような気がします。 これではたまらない。自分は今ま....
「小説集「聖女人像」後記」より 著者:豊島与志雄
も春先には急激に若芽を出す。それは草木の決意であり跳躍である。まして人間は、常に
大なり小なりの決意で行動している。新時代への発足に際しては、大きな決意と跳躍とが....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
ちらかと言うと、我が国現在総べての詩人の所属しているほど盛んな象徴主義も、やはり
大なり小なり自然主義を含んで来ている。唯、程度の差を以て作品並びに作家の流派を分....
「独逸の範とすべき点」より 著者:国枝史郎
している。万事意志的である。 この表現主義文学があらわれるや、世界中の文学者は
大なり小なり夫れに感化され、その後に出た文学で、この影響を受けないものは無かった....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
である。 しかし、無遠慮に人ごとをかれこれいうことは、十分心遣いはしていても、
大なり小なり人に迷惑のかからないわけはないと、これも察するにあまりはある。むやみ....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
果を失うものである。 また、中流以上の生活者なら、その望むところの季節ものは、
大なり小なり、到来に、あるいは店買いによって、日常家庭の食膳に充分上がるものであ....