大の字[語句情報] »
大の字
「大の字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大の字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《はえ》と虻《あぶ》との中に優々と水飲み、奴は木蔭《こかげ》の床几《しょうぎ》に
大の字なりに僵《たお》れて、むしゃむしゃと菓子を吃《く》らえり。御者は框《かまち....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
た階段をのぼり、そして彼の寝台の上にまで届けたのであった。 ドレゴは寝台の上に
大の字になって倒れると、またしても声を出して「キ、君、悪魔集団は僕たちの隙を窺っ....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
その場に硬直してしまった。 おそろしい生物《いきもの》よ! その別室の床に、
大の字なりに死んだようになって寝そべっていたのは、最初の一目では、一個の裸形の女....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
が、ベッドの上は空っぽで、求める事件の主は、いま入った戸口に近い左側の隅っこに、
大の字に伸びていた。若い長身の男だが、四角い頤が見えるばかりで、上の顔面は見えな....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
へおりていったのである。 奇妙な例の死骸は、その底において発見されたのである。
大の字なりに上をむき、足を入口に近い方にし、頭は奥のほうに半分うずもれていたので....
「怪塔王」より 著者:海野十三
をかえしたくはなかったけれど、やむをえず、かえしました。そのあとで、彼は藁の上に
大の字になって、のびのびと寝ました。よほど疲れていたのでありましょう。まもなく彼....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
くいった。 さあ、こうなっては、空中をねらったのがいいか。それとも氷のかげで、
大の字なりになってたおれていたのがいいのか、わからない。さわぎは、一層大きくなっ....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
酒を呑む。あまりに酒をガブガブ呑んだので、蒟蒻のように酔払って、とうとう床の上に
大の字になって睡ってしまう。 お城の下では、十八とルリ子が、あたり憚らずまだピ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
穀断と、茶断、塩断……こうなりゃ鯱立ちだ。) と、主人が、どたりと寝て、両脚を
大の字に開くと、 (あああ、待ちたまえ、逆になった方が、いくらか空腹さが凌げるか....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
朝凪の海、穏かに、真砂を拾うばかりなれば、纜も結ばず漾わせたのに、呑気にごろりと
大の字|形、楫を枕の邯鄲子、太い眉の秀でたのと、鼻筋の通ったのが、真向けざまの寝....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
て、 (どうするものか!) ぐっと潜って、 (何でも来い。) で枕を外して、
大の字になった、……は可いが、踏伸ばした脚を、直ぐに意気地なく、徐々縮め掛けたの....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
可いじゃろ。」 「さあ、引渡せ、そうでなきゃあ団扇で煽げ、」と愛吉は仰向けに寝て
大の字|形、挺でも動きそうな様子はない。謂う処に依れば才子に思うさま煽がせさえす....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
て、安心をして帰ったそうですが、――不安心なのは火の玉の茅屋で。 奴裸火の下に
大の字だから、何、本人はどうでもいいとして、近所ずから、火の元が危いんでね、乗り....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、もやい蒲団を弾反されて寝惚声で、 「何じゃい、騒々しい。」 五助は服はだけに
大の字|形の名残を見せて、蟇のような及腰、顔を突出して目を※って、障子越に紅梅屋....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ある。朝鮮から満州、香港と流れ歩いた末、やっと見つけた東京での二畳の部屋。そこへ
大の字にひっくり返って、天井の雨漏りのしみをながめながら考えたのはこれからのこと....