大の男[語句情報] » 大の男

「大の男〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大の男の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
つ、はじめて賊の姿をば認め得たりしなり。こはそもいかに! 賊は暴《あら》くれたる大の男《おのこ》にはあらで、軆度《とりなり》優しき女子《おんな》ならんとは、渠は....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
、彼女は救いを呼ぶ間もなかった。 しばらく挑《いど》み合ったが、かよわいお光は大の男にとても勝つ事はできなかった。男はその風呂敷包みをもぎ取って、取り縋《すが....
妖術」より 著者:泉鏡花
た……が、お商売は。」 と訊いた。 後に舟崎が語って言うよう―― いかに、大の男が手玉に取られたのが口惜いといって、親、兄、姉をこそ問わずもあれ、妙齢の娘....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
作とおはまはまだ一人前は刈れない。二人は四百把ずつ刈れと言い渡される。省作は六尺大の男がおはまと組むは情けないという。それじゃ五百でも六百でも刈ってくれと姉が冷....
蠅男」より 著者:海野十三
た。そこには天井の方から、重い鋳物の格子蓋が嵌めてあった。「さあ、まさかあれから大の男が入ってこられへんと思うが、――」 「さようですナ、あの格子の隙から入って....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
口を切った。 「さあ、四、五十貫はありますね」と三田村技手が言った。 「こいつア大の男が二人かかっても、この塔の上まではちょっと運べませんね……まして、外の海の....
超人間X号」より 著者:海野十三
なるような、珍妙《ちんみょう》な光景であったろう。何しろ、女学生みたいな若い娘が大の男の裸のからだを背負って歩いているのだし、この精妙な操縦装置の前に坐って、機....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
り、そのままではあまりに身体が重く感じ、殆んど立っては歩けぬ、ということだった。大の男たちが、赤ん坊のように、ようやく這って歩くような始末だった。 月世界で、....
男女関係について」より 著者:大杉栄
新報』記者命名)、社会主義研究者(『万朝報』記者命名)と人も許し自分も許していた大の男が、新しい女なぞというアバズレの小娘に、見事背負投げを食わされた形になった....
海亀」より 著者:岡本綺堂
の両腕をつかんだ。そうして、子供のように泣きだした。清は僕よりも年上の二十四だ。大の男がその泣き顔は何事だと言いたいところだが、この場合、僕もむやみに悲しくなっ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
名ぐらいは義経・弁慶・亀井・片岡・伊勢・駿河と共に諳んじていた。富山の奥で五人の大の男を手玉に取った九歳の親兵衛の名は桃太郎や金太郎よりも熟していた。したがって....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
るわね。あなたがたみたいに食べるものもなくなっちゃ私は半日だってやり切れないわ。大の男が五人も寄ってる癖に全くあなたがたは甲斐性なしだわ。 戸部 畜生……出て....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
幽霊のように真っ蒼に見えたので、六三郎は思わずぎょっとしましたが、なにしろ傍には大の男が二人も付いているのですから、うっかりと声をかけることも出来ません。ただ小....
迷信解」より 著者:井上円了
駱駝と思い、争って木戸銭を払いてその内に入れば、獣類の駱駝にあらずして、一人の肥大の男が、炎天焼くがごとき気候なれば、高き所へ裸体となりて手に団扇を握り、これを....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
わらず、退院と同時に問題の鳩にダイヤをつけて放すことになった。 他のページには大の男が負けて鳩にお辞儀をしている漫画が出ている。赤星は舌打ちをしながらその新聞....