大上段[語句情報] »
大上段
「大上段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大上段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
槍、胸へ閃いてくるのをそのままに片手で槍の柄を握るが早いか、半身を延して片手討の
大上段、真向から斬込んでしまった。槍は離れて得な武器だが、附込まれて役に立たぬ。....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
手に皓々たる白刃が握られていた。忽然起こる不思議な笑い！ はっなる。 陶器師は
大上段。フフフフフフ、と陰性の中音、絶えず笑いを響かせながら、分を盗み寸を奪い、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、と云って小刀を出してくれたと同一処、敷居から掛けて柱へその西瓜を極めて置いて、
大上段です。 ポカリ遣った。途端に何とも、凄まじい、石油缶が二三十｜打つかった....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
氏の相手を買い被りすぎているからのことだろう。大森氏が、馬鹿馬鹿しさにテレながら
大上段に振りかざしているのを見ると、色々な意味で、私は同情を禁じ得ない。 だが....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
う、散歩の時は寄ってみるよ、情郎は居ないか、その節邪魔にすると棄置かんよ、などと
大上段に斬込んで、臆面もなく遊びに来て、最初は娘の謂うごとく、若山を兄だと思って....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
ていたが、思わず反り返った一刹那、足を外ずしてツルリと辷った。 してやったりと
大上段、武士は入り身に切り込んだ。と、一髪のその間にピューッと草履を投げ付けた。....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
時、天運尽きたか鬼小僧は、石に躓いて転がった。得たりと追い付いた侍は、拝み討ちの
大上段、 「小僧、今度は遁さぬぞ！」 切り下ろそうとした途端、にわかに侍はよろ....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
る。 「いざ」と云うと土岐与左衛門、大刀サッと鞘ばしらせた。 グーッと付けたは
大上段、相手を呑んだ構えである。 「いざ」と同時に十三郎、鞘ばしらせたが中段に付....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
、旅人は初めて一喝したが、まず菅笠を背後へ刎ね、道中差を引き抜いた。構えは真っ向
大上段、足を左右へ踏ん張ったものである。「あっ」とまたもや甚内は、声を上げざるを....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
、突立ったまま居縮んだが、抱えていた澄江を地へ下すと、肩を片足でグッと踏みつけ、
大上段に刀を振り冠り、 「秋山氏か、久々に御意得た。いかにも貴殿の云われるとおり....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ハーッと息を呑んだが、窮して通ずるさっそくの気転で、必ず今度こそは討って取ると、
大上段に刀を上げて、切り下ろそうとしてのしかかって来た兵馬の肩へガッとばかりに、....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、斬り刻むように、両手で、烈しく振って
「ええいっ」
山の空気を引裂いて、忽ち
大上段に、振りかざすと、身体ぐるみ、奈良崎へ、躍りかかった。
一木の攻撃は、....
「瘤」より 著者:犬田卯
見せる。」 言ったかと思うとやにわに自分の座っていた椅子を逆さまに引っつかみ、
大上段に振りかぶり、きっと二人を睨み据えた。二人の役人は検印もそこそこに退却して....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
五間離れた河岸、しだれ柳の下へ出た。彦兵衛が追って来て、耳近く囁く。 「天誅とは
大上段、やっぱり、武士《りゃんこ》てえお見込みで？」 「まあ、そこいらよなあ。」....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の如きは造作もなく解決されたのである。が、二葉亭の文学というは満身に力瘤を入れて
大上段に振りかぶる真剣勝負であって、矢声ばかりを壮んにする小手先剣術の見せ物試合....