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大事の前の小事
「大事の前の小事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大事の前の小事の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
分しようと怒った。いやしくも一国の廟臣に対して侮辱もまた甚しいわけである。成竜は
大事の前の小事と忍んで陳謝したが、国事のついに茲にまで至った事を思うと、覚えず流....
「山崎合戦」より 著者:菊池寛
り返して訊いた。皮肉な奴が居たものである。右近心中に怒り、斬り捨てんと思ったが、
大事の前の小事であり、かつは年々のクリスチャンであるし、だまっていると、「不忠の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ない、仏国公使の厚意をむなしくしたらあとになって臍をかんでも追いつかない、これは
大事の前の小事である、老中連署が不承知とあれば御一存で処置せられたい、付き添いの....
「口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
た。 狂太郎は、長いあいだ一同の顔を見まわしていたが、 「うむ。そうか。いや、
大事の前の小事だからな。」 と欠伸《あくび》まじりにいって、どんどん梯子段を下....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、こんなに突きつめた、迫った場合にも、彼の心はためらわずにはいないのだ。
――
大事の前の小事――いま、この男を殺して、それが、きっかけで、自分が法の網を怖れね....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
して、それでもお松を放そうとはしない。 「取調べが済んだら、早う御処分をなさい、
大事の前の小事から謀《はかりごと》が破れるわ」 「それもそうじゃ」 芹沢はしぶ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
参りましょうか」
「求めて対手にすべきではない。よし、二人が殺《や》られようと、
大事の前の小事じゃ。わしが指図するまで、手出しはならぬ」
「益満は、何うしており....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
たが、 「止せ止せ、ばかばかしい」啓之助と一角が、しきりにそれを制している。 「
大事の前の小事、そんな者に当り散らしているひまに、離れの奴が蜂須賀家の侍と知った....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ていられるものか」 という声がひびいてくる。 中二階の悲痛な声を耳にすると、
大事の前の小事と、心を鬼にしてきた弦之丞も、かれを残して去ることは情においてしの....