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大仰
「大仰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大仰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ものを見たんで、すっかり気色《きしょく》がわるくなってしまったよ。」
老婆は、
大仰《おおぎょう》に顔をしかめながら、
「――ええと、平六の家《うち》は、お前さ....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
そめ、こう云う武夫を睨《にら》んだりした。しかし武夫はきょとんとしたまま、わざと
大仰に茶碗《ちゃわん》の飯を掻《か》きこんで見せたりするだけだった。重吉は小説な....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
井《ふじい》と云う弁護士は、老酒《ラオチュ》の盃《さかずき》を干《ほ》してから、
大仰《おおぎょう》に一同の顔を見まわした。円卓《テエブル》のまわりを囲んでいるの....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
うに、それを、また、畳の上へ抛り出すと、白足袋《しろたび》の足を上げて、この上を
大仰《おおぎょう》に踏みつける真似をした。……
八
それ以....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ある不安を呼び醒ました。兄は帰って来るだろうか?――そう思うと彼は電報に、もっと
大仰《おおぎょう》な文句を書いても、好かったような気がし出した。母は兄に会いたが....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
めて、李の方を見た。鳥の嘴《くちばし》のように曲った、鍵鼻《かぎばな》を、二三度
大仰にうごめかしながら、眉の間を狭くして、見たのである。
「私のような商売をして....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
た》捕物《とりもの》の場《ば》」と書いてあった。
年の若い巡査は警部が去ると、
大仰《おおぎょう》に天を仰ぎながら、長々《ながなが》と浩歎《こうたん》の独白《ど....
「運」より 著者:芥川竜之介
。……
「じゃそれでいよいよけりがついたと云う訳だね。」
「所が」翁《おきな》は
大仰《おおぎょう》に首を振って、「その知人《しりびと》の家に居りますと、急に往来....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ょろりと新蔵へ眼をくれると、「成らぬてや。成らぬてや。大凶も大凶よの。」と、まず
大仰に嚇《おど》かして、それからまた独り呟くように、「この縁を結んだらの、おぬし....
「百合」より 著者:芥川竜之介
め》きながら、畑のある右手へ走って行った。良平は一足《ひとあし》踏み出したなり、
大仰《おおぎょう》にぐるりと頭を廻すと、前こごみにばたばた駈け戻って来た。なぜか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いろ思い違いや見込み違いをすることがあります。無事の時ならばなんでもないことが、
大仰《おおぎょう》に仔細ありげに考えられますから、よっぽど注意しないといけません....
「河明り」より 著者:岡本かの子
遍なく探してみた。料亭など借りるのは出来過ぎているし、寮は人を介して頼み込むのが
大仰だし、その他に頃合いの家を探すのであるが、とかく女の身は不自由である。私は、....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ははあ、獲物についての報告ですか。獲物とは、そいつはすばらしい話だ」
佐々は、
大仰に驚いて、課内の幹部の机を一々走ってまわった。
まもなく、課長の机の前後左....
「ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
るだけのことならからだのどこかをくすぐつてもできるのである。芸術だの何だのという
大仰な言葉を使つて人さわがせをするにはあたらないのである。問題は諷刺の有無ではな....
「瘤」より 著者:犬田卯
ッと洗われて見ろ、村全体根こそぎ持ってゆかれたって足りやしねえから。」 ふと、
大仰に言っている声に振り向くと、それは造化の神が頭部を逆に――眼鼻口は除いて間違....