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大伽藍
「大伽藍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大伽藍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
う! 彼は馬車の後を追って駆けだしたが、さいわい、馬車は少し行って*カザンスキイ
大伽藍の前でとまった。 彼は急いで、よくこれまでそれを見て嘲笑《わら》ったりし....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
に雲水たちを苦しめた雪も、深い谷間からさえ、その跡を絶ってしまった。 十幾棟の
大伽藍を囲んで、矗々と天を摩している老杉に交って、栃や欅が薄緑の水々しい芽を吹き....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
りの午後、ファウストは林檎を見ているうちに一枚の油画を思い出した。それはどこかの
大伽藍にあった、色彩の水々しい油画だった。従って林檎はこの時以来、彼には昔の「智....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
聖アレキセイ寺院――。世俗に聖堂と呼ばれている、このニコライ堂そっくりな天主教の
大伽藍が、雑木林に囲まれた東京の西郊Iの丘地に、R大学の時計塔と高さを競って聳り....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
を絶たんとした。 先ず彼等は一悪僧を語らって、火を相国寺に放たしめた。さしもの
大伽藍も焼けて、煙姻高く昇るのを望見するや、西軍は一挙に進撃した。此の決戦は未明....
「死者の書」より 著者:折口信夫
御自身の御発起からだとも言うが、一人の尊いみ子が、昔の地を占めにお出でなされて、
大伽藍を建てさせられた。其際、山田寺の旧構を残すため、寺の四至の中、北の隅へ、当....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
胸がせまって、いそいで目をそらしました。遥か彼方には、宵闇にほの白く、あの旧教の
大伽藍がそびえ立っていました。少年の顔には、一瞬間、何か崇高なかがやきがひらめき....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
い屋敷じゃアないか」 で改めて屋敷を見た。一町四方もあるだろうか、豪勢を極めた
大伽藍、土塀がグルリと取り廻してある。塀越しに繁った植え込みが見える。林といって....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
た』と……その裏木戸を見てやろう」 勿論単なる好奇心からではあったが、加賀屋の
大伽藍の壁に添い、宇和島鉄之進は裏へ廻った。 裏木戸の前まで来た時である、木戸....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
旋廻が端緒だったのだ」 それから、法水の説き出し行く推理が、さしも犯人が築いた
大伽藍を、見る見る間に崩して行った。そして、夢殿殺人事件は、漸くその全貌を白日下....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
かない黄蘗風の仏殿として江戸時代から著名であった。この向島名物の一つに数えられた
大伽藍が松雲和尚の刻んだ捻華微笑の本尊や鉄牛血書の経巻やその他の寺宝と共に尽く灰....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
かれた大きな鉄の箱の底にいるような感さえする。三、四十羽と群なす岩燕は、この巌の
大伽藍を守護する小さな精霊たちのように、見なれない自分たちを巡って目前の空中を飛....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
迦堂において行う。およそその釈迦堂はラサ府の図面にも記されてある通り、三階造りの
大伽藍ですがほとんど詰切れない位集まる。その時の狭隘しい事というたら堪らんです。....
「西航日録」より 著者:井上円了
覚ゆ。当地には、新教改革の率先者ツウィングリ翁の遺跡あり。翁所住の寺は当所第一の
大伽藍なり。その傍らにツウィングリ広小路と名づくる所あり。 チューリヒ見物の帰....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
さて、私は一人の倭人が、雪山のように高い、白い白い破損紙の層を背に負って、この
大伽藍の中を匍うように動き出したのにも驚いた。考えて見ると空と空とを孕んだ紙の層....