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大入り
「大入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
れば他はみな晩景の開場なるにかかわらず、これのみひとり昼夜二回の興行ともに、その
大入りは永当《えいとう》たり。 時まさに午後一時、撃柝《げきたく》一声、囃子《....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
言にはさぞ駭《おどろ》くことでござりましょう。 二郎右衛門 それにしても、春以来
大入り続きの半左衛門座の中村七三郎どのに、今度の狂言で一泡吹かせることができると....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
惑しました」と、長助は低い声で云った。「観世物の方はあの一件が評判になって、毎日
大入りです。なんとか因縁を付けてやれと、友達どもが勧めますので、わたしもついその....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
前のために景気もあまり思わしくなかったが、二の替りからは盆やすみで木戸止めという
大入りを占めた。その替りの外題は「優曇華浮木亀山」の通しで、切に「本朝廿四孝」の....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
から中通りの腕達者な俳優一座を連れて来て、値安興行をはじめた。土間は全部開放して
大入り場として、入場料は六銭というのである。しかも半札を呉れるので、来月はその半....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
であった。 したがって、どっちにも思い思いの贔屓がついて、二人の出る席はどこも
大入りであった。そのひいき争いがだんだん激しくなって来るに連れて、ふたりの若い芸....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
十郎も出勤した大劇場が桟敷と高土間と平土間の三分ぐらいを除いては、他はことごとく
大入り場として開放したのである。木戸銭は六銭、しかも午前七時までの入場者には半札....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
が、前夜の惨劇が好奇心を唆ったものか、その夜は補助椅子までも、出し切った程の
大入りだった。然し、オフェリヤ殺し場は、遂に差し止められて、あの無残な夢を新たに....
「虎」より 著者:岡本綺堂
のだから腐る気づかいはない。せいぜい鰹節か鼠を食わせて置けばいいのだ。それで毎日
大入りならば、こんなボロイ商売はない。 友蔵兄弟も大よろこびで、この分ならば結....
「マレー俳優の死」より 著者:岡本綺堂
と、建物はあまり立派でないが、原住民七分、外国人三分という割合で殆んどいっぱいの
大入りであった。 英文の印刷されたプログラムによって、その狂言がアラビアン・ナ....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
りがたいね。」 「まったくありがたい。おまけにそれが評判になって、包孝粛の芝居は
大入りというのだから、李香は実に大当りさ。李香の包孝粛がその人物を写し得て、いか....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
過ぎの開場 明治二十六、七年(下) 人形芝居――夢の世界――日清戦争――浅草座の
大入り――書生芝居の基礎確立――歌舞伎側の敗北 紅葉館の劇談会 劇評家の引幕――....
「三崎町の原」より 著者:岡本綺堂
うのであるから、確に廉いに相違ない。それが大評判となって、毎月爪も立たないような
大入りを占めた。 芝居狂の一少年がそれを見逃すはずがない。わたしは月初めの日曜....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
方の町をうって廻った。江戸市中はまだ公儀を憚って興行を避けていた。芝居はどこでも
大入りで、見物の血を湧かせた。 この芝居が清水にもかかり、そして、忽ち町中の評....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
新富座の一番目「赤松満祐」中幕「勧進帳」二番目リットンの翻案「人間万事金世中」、
大入りにて、六十余日を打ち続け、京浜在留の外国人より、引幕を贈りて総見物あり。 ....