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大千世界
「大千世界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大千世界の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
こっか》に異様の生命を与える。故《ゆえ》に迷である。愛の眼《まなこ》を放つとき、
大千世界《だいせんせかい》はことごとく黄金《おうごん》である。愛の心に映る宇宙は....
「一夜」より 著者:夏目漱石
衆は千か万かその数を忘れた。胡桃《くるみ》の裏《うち》に潜《ひそ》んで、われを尽
大千世界《じんだいせんせかい》の王とも思わんとはハムレットの述懐と記憶する。粟粒....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
して、それじゃ雨の方が偽だと云っても、雨の方が苦情を云うだろうと思います。だから
大千世界の事実は、すでにその事実たるの点においてことごとく真なのであります。この....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
。この広い世界のすべての存在が消えてしまって自分のからだの痛みだけが宇宙を占有し
大千世界に瀰漫しているような気がしている。夜が明けて繰りあけられた雨戸から空の光....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の中を動きまわる意識感覚の森羅万象を同時に照しあらわしている有様は、蜻蛉の眼玉が
大千世界の上下八方を一眼で見渡しているのと同じ事である。……ところでその人間の脳....
「白くれない」より 著者:夢野久作
その行末の楽しみの相手なりし者を討ち果したらむ今は、わが身に添ひたる、もろ/\の
大千世界を打ち消して涯てしも無き虚空に、さまよひ出でし心地しつ。明日よりは何を張....
「春六題」より 著者:寺田寅彦
い。時と空間に関する吾人の狭いとらわれたごまかしの考えを改造し、過去未来を通ずる
大千世界の万象を四元の座標軸の内に整然と排列し刻み込んだ事でなければならない。夢....
「カメラをさげて」より 著者:寺田寅彦
うして、その上にその平面の中のある特別な長方形の部分だけを切り抜いて、残る全部の
大千世界を惜しげもなくむざむざと捨ててしまうのである。実に乱暴にぜいたくな目であ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
道義を詮するほかに余念も無く、清浄安静に生活した。眼前は日に日に朗らかに開けて、
大千世界を観ること漸くにして掌上の菓を視るが如くになり、未来は刻々に鮮やかに展じ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が喋って聞かせたことがある。 十日飢えて一椀の飯の有難さを感ずる心を以て、この
大千世界の恩恵に泣けるようになって、はじめて人間の魂が生き返る! というような....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
憤りを鎮《しず》めるの道は、忍の一字のほかにはあるものではございません、たとえ、
大千世界を焼き亡ぼすの瞋恚の炎といえども、忍辱《にんにく》の二字が、それを消しと....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
勢いをもってやらなくてはならんというのであります。またその拍った手の響きは、三千
大千世界の悪魔の胆をこの文珠の智慧の一声で驚破する程の勢いを示さなければならんと....