大口の[語句情報] » 大口の

「大口の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大口のの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
依田流の弓術があきれるよ。おひざもと育ちの八丁堀衆は、わざがお違いあそばすんだ。大口の三郎、おめえも大口あいてかかってくるか!」 「うぬ! か、か、かからずにお....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
発した日から南国には珍らしい大雪となって、連日紛々として絶えず、肥後との国境たる大口の山路に来る頃は、積雪腰に及ぶ程であった。しかし薩軍を悩したものは風雪だけで....
死までを語る」より 著者:直木三十五
円の売れ行きがあったし、三割近い利益であったから、店のこの小売と、仲間同士のやや大口の商売で、六、七十円の収入にはなっていたらしい。 「月、百円儲かったらなあ」....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
日長次郎――広袖の縫取りのある襦袢《じゅばん》とも支那服ともつかないものを着て、大口のようなズボンを穿《は》いている――がやって来て、これも何か早口で指図をする....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
たるは小親にこそ。 髪のいと黒くて艶かなるを、元結かけて背に長く結びて懸けつ。大口の腰に垂れて、舞う時|靡いて見ゆる、また無き風情なり。狩衣の袖もゆらめいたり....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
一群歌人相互の影響によって発育した歌境だかも知れない。 ○大口の真神の原に降る雪はいたくな降りそ家もあらなくに 〔巻八・一六三六〕 舎人娘....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
、ほとんど黙阿弥の創作と云って好いほどに劇化されている。今日しばしば繰り返される大口の寮の場の如きは、たとい寺西閑心や鳥目の一角の焼き直しであろうとも、講談以外....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
状を会衆に訴えた。どんなふうに話したかおぼえていないが、反響は意外に大きかった。大口の寄付の申し出もあり、相当の額が集まったので、私は孤児院のためじつに嬉しく、....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
とりこにして置いて育てているのだよ。そうして大名衆や旗本衆や、大金持の人々から、大口の注文を承わっては、即座に数十本であろうと数百本であろうと、どのような珍木異....
放し鰻」より 著者:岡本綺堂
にまた飛び出して、近所の時借りなどを返してあるいた。それから下谷まで行って、一番大口の一両一分を払って来た。それでもまだ三両ほどの金をふところにして、かれは帰り....
南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
ゾオチの痛みも吹ッとび、波川はいそいで服を着た。 そのころ、東京横浜を中心に、大口の南京虫の密売者が現れた。これが凄いような絶世の美女だ。秘密に指定した場所へ....
議会見物」より 著者:佐藤垢石
側にいた。だが、あれからもう三十年もたつのに、あのときの若さと同じ婦人だ。もし、大口の奥さんであったとしたら、女というものは随分お歳を召さぬなあ、と思った。大口....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
出来なかったのか、やろうと思えばやれたのではなかったか。それに俺としては、そんな大口のやつがあるとは実は知らなかった……」と詰られる結果に陥ってしまった。儀作は....
不在地主」より 著者:小林多喜二
の値が天井知らずに飛び上ったことがある。知ってるな。和蘭が不作のために、倫敦から大口の注文があったからだ、とあの時皆は云っていたさ。ところが、今度小樽へ出て聞い....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
砂地のこの谷間には、将校と旅行者とのほかには、頭髪も顔の髯ものび放題の、頭の鈍い大口の受刑者と、兵士が一人いるだけだった。その兵士は重い鎖をもっており、それから....