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「大名華族〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大名華族の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
ないかの江戸っ子です。あの男とM侯爵との話です。M侯爵って、無論あのM侯爵です。大名華族中第一の名門で重厚謹厳の噂の高い、華族中おそらく第一の名望家といってもよ....
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
て間もなく、お父様の心安くしていらっしゃる安中《あんなか》という医者が来て、或る大名華族の末家《まっけ》の令嬢を貰えと勧めた。令嬢は番町の一条という画家の内にお....
明暗」より 著者:夏目漱石
さく》の感じを津田に与えるに充分であった。 「ここはいやに陰気な所だね。どこかの大名華族の裏に当るんで、いつまでもこうして放《ほう》ってあるんだろう。早く切り開....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
はさらに昨日千鶴子より聞きし旧友の一人を思いぬ。彼女は浪子より二歳長けて一年早く大名華族のうちにも才子の聞こえある洋行帰りの某伯爵に嫁ぎしが、舅姑の気には入りて....
旅愁」より 著者:横光利一
う云って笑ったので、皆誰も感合した笑いを洩すのだった。この男爵は田辺侯爵と同様に大名華族で、初めは社会学の研究にパリにいるうち、次第に農業経済の研究に入っていっ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
とかいった旧旗下の邸で、私の借宅した大屋さんが、その内藤家である。が同じ内藤でも大名華族のを始めとして、この内藤家も甲州出で、有名な武田の四天王内藤駿河守の子孫....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、五兵衛も内々まんざらではないと心得てもいたのであった。 五兵衛の女房アツ子は大名華族の娘で二十七、後妻である。云うまでもなく、お梨江の実母ではない。実母はお....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の卑屈さに原因するのであって、商人それ自身の罪である。東京は昔から高位高官の人、大名華族が住んでいて大威張りをしていた歴史つきの所であるから、これらの人々を相手....
だいこん」より 著者:久生十蘭
部屋へひきかえした。 ママ薯のほうは、武術講演をしたり薙刀をふりまわしたりする大名華族の珍品というところでさしたる悪影響はなかったが、娘薯のほうは、他人が幸福....
金狼」より 著者:久生十蘭
へ来たといったのは嘘である。彼女は東京で生れ、そして、そこで育った。 葵はある大名華族の長女に生れた。西国の和泉《いずみ》高虎の一門で、葵の家はその分家だった....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
なり。その有様を論ずるときは、貧富、強弱、智愚の差あることはなはだしく、あるいは大名華族とて御殿に住居し美服、美食する者もあり、あるいは人足とて裏店《うらだな》....
悪魔の弟子」より 著者:浜尾四郎
た音楽会が、東京に於ける殆ど唯一の権威ある音楽会でした。尤も、この他に或る有名な大名華族がパトロンとなってやって居た音楽会があった筈ですが、貴族に極端の反感をも....