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大売出
「大売出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大売出の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
わじちょう》、須田町の往来が、いかに美しかったかは問うを待たない。歳暮《せいぼ》
大売出しの楽隊の音、目まぐるしい仁丹《じんたん》の広告電燈、クリスマスを祝う杉の....
「或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
ょうど街路を一つ隔てた向かい側に、同じような百貨店の大建築が出来上がり、その開店
大売出しが今日だというので、こっちでも負けずに客を取ろうというのであった。建物全....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を立てていた。砂糖屋の店さきには七、八人の男や女が、狭そうに押し合っていた。年末
大売出しの紙ビラや立看板や、紅い提灯やむらさきの旗や、濁《にご》った楽隊の音や、....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
く世界が眼ざめて来たように感じられたものである。 今日のように各町内連合の年末
大売出しなどというものはない。楽隊で囃し立てるようなこともない。大福引きで箪笥や....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
も、運を天に任せて渋谷へ出て、それから市電で神田へ出てみる。街は賑やかで、何処も
大売出し。明るい燈火が夜空にほてっている。停留所のそばには、団扇《うちわ》だいこ....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
上げた。そして再び場末のごたごた中に驀進した。 デパアトメント・ストアだ。家具
大売出し! 十八ヵ月月賦! 「キリストは生きている!」教会だ。 「質」 「古着」....
「農村」より 著者:宮本百合子
の両側の店々の飾りを見て歩いた。 よく見世物の小屋に立って居る様な幟りに「歳暮
大売出し」「大々的すて売り」「上等舶来、手袋有※」などと書いたのがバタバタ云って....
「心配」より 著者:宮本百合子
き出した。彼は今度はじゆうにあるけないからだまって私のあとをついて来る。私は歳暮
大売出しと大きな門をつくった内の三省堂に本をかいによった。私はしかたがなくて彼の....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
が出入りしていた屑屋に訊いても判らない。 空には軽気球がうかんでいて、百貨店の
大売出しの広告文字がぶらさがっていた。とぼとぼ河堀口へ帰って行く道、紙芝居屋が、....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
月を経過したが、特別のある期間を限り、特別のある試みを行い、それで、世俗の所謂「
大売出し」をやったことは一度もない。私の店では一ヶ年を通じて、毎日毎日が
大売出し....
「円太郎馬車」より 著者:正岡容
考えてみや圓太郎。一年中でいちばんめでたいのは正月だ。その次が盆だ。世間でも中元
大売出しってワイワイ騒ぐだろう。いいか。そのめでたい正月に盆提灯を売りに出るンだ....
「山道」より 著者:中里介山
迷信の的となり得るに充分である。この迷信が商売の繁昌に有力な処から博士の粗製濫造
大売出しが行われる――科学が迷信を助長するのではない人間の本能が迷信なくしては生....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
は再び元の人込の中へ引返した。この頃神楽坂では、特にその繁栄策として、盆暮の連合
大売出しの外に、毎月一回位ずつ定時の連合市なるものをはじめたが、その日も丁度それ....