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「大天狗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大天狗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
たまま、厳《おごそか》に立っているあの沙門《しゃもん》の異様な姿は、全くどこかの大天狗が、地獄の底から魔軍を率いて、この河原のただ中へ天下《あまくだ》ったようだ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
それでも三人はあとへ引っ返さずに前にむかって逃げた。彼らは顔の赤い、鼻の高い大天狗を見たのである。天狗は往来を睨みながら、口には火焔を吐いていた。彼らは京に....
追憶」より 著者:芥川竜之介
中人物かもしれない。それは岩裂の神という、兜巾鈴懸けを装った、目なざしの恐ろしい大天狗だった。 七 お狸様 僕の家には祖父の代からお狸様というものを....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
議はないのである。山城の愛宕権現も勝軍地蔵を奉じたところで、それにつづいて太郎坊大天狗などという恐ろしい者で名高い。勝軍地蔵はいつでも武運を守り、福徳を授けて下....
骨董」より 著者:幸田露伴
て、彼の大名物の定鼎を見たこともあったのである。その毘陵の人が来たので、季因是は大天狗で、「近ごろ大した物を手に入れましたが、それは乃ち唐氏の旧蔵の名物で、わざ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
たネ」と仕立屋が尋ねた。 「二番とも、これサ」 番頭は鼻の先へ握り拳を重ねて、大天狗をして見せた。そして、高い、快活な声で笑った。 こういう人達と一緒に、ど....
大阪発見」より 著者:織田作之助
そこは「いろは牛肉店」の横丁であった。「市丸」という小料理屋の向って左隣りには「大天狗」という按摩屋で、天井の低い二階で五、六人の按摩がお互いに揉み合いしていた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
書いてある。 来てみればさほどでもなし大菩薩 とぶっつけたのもある。 我慢大天狗 邪慢大天狗 打倒大天狗 と走らせたのもある。 借金スルノハツライモノ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
よかったから、天狗の面が図に当りました。 「大山|阿夫利山《あふりさん》大権現、大天狗小天狗、町内の若い者」 そこで米友が馬に乗ると、彼等は以前に、しおれきっ....
天狗の鼻」より 著者:豊島与志雄
爺さんは急いでろうそくに火をつけました。そしてひょいと見ると、まごうかたなき大天狗が眼の前に立ってるではありませんか。頭に兜巾《ときん》をかぶり、緋《ひ》の....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
もこんなところで、マゴマゴしているこたアない。御嶽山《おやま》へ出かけて行って、大天狗《だいてんぐ》を召捕られたらどうです、あなたとはいい取組みでしょう」 顎....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
のが二三人ある。代々夜目が利くんだ。俺は大竜院泰雲という者だ」 なる程天狗だ。大天狗だ。 「それがどうして一昨年と昨年と、二年つづきで七三郎の仲間を、半殺しの....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
りの術譲りの処だから。私から見れば黄石公――壁に脱いだ、緋の外套は……そのまま、大天狗の僧正坊……」 多津吉は銅像の腰を透かして、背後に迫って、次第に暮れかか....
迷信解」より 著者:井上円了
、余が述べようと思う天狗は、この人間の天狗ではなく、怪物の天狗であるが、これにも大天狗、小天狗の別がある。大天狗はその形山伏に似て、しかも鼻高く翼をそなえたる怪....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
のこのたびの事は、全く天狗の所為だと仰せ出された。これに対して頼朝は、日本第一の大天狗は他にあらざるものかと言って、法皇がその世を乱す天狗の大将であるとの意を述....