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大家族
「大家族〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大家族の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
あれ蛇であれ、むす子の相手になって呉れるものに、何で好感を持たずにいられようか。
大家族の総領娘として育ったかの女には、いざというとき、こんな大ふうな呑み込んだ度....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ていた。 娘は学者の家へも出入りするようになっていた。富んだ華族の家で、一家は
大家族だが、みな感じがよく、家の者も娘を好んだ。若い学者は兄弟中の末子で、特に両....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
は必ず現に勤務している職工の親や兄弟か……でなければならなかった。専務は工場の一
大家族主義化を考えていた。――然しその本当の意味は、どの職工もお互いが勝手なこと....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ったりしていた。 私は、大人達が親切にしてくれることを喜ばなかった。私の家は、
大家族であり、父の兄弟は分家していなかったし、祖母が健在であったから、お正月だと....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
そのコブは各々すすけたツヤがあって、一ツの顔ができ上っているのです。 ところが
大家族制で有名なヒダの白川郷の写真を見ると、そこのジイサン連の顔が似たようなコブ....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
念流の伝授以来二十四代もうちつづいて、里人すべてを門弟にしている旧家だから、
大家族、大教祖の大邸宅を想像するのは当然だが、立派なのは道場だけで、実に質素なた....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
び起こす前提である。 そのためには具体的の共同体というものが、父母から発生し、
大家族を通しての、血族的、言的共生を契機とし、共同防敵によって統一され、師長によ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
人の申しますには『わしはもう長の病気、余命わずかと覚悟しておる。わがなき後はこの
大家族の、荏原屋敷を切り廻してゆくこと、女のお前ではとうてい出来ない。幸い主馬之....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
敷が豪壮であり、その生活が雄大なので、さすがの要介も胆を潰した。 いうところの
大家族主義の典型のようなものであった。 西野郷の井上嘉門と、こう一概に人は云っ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
夫とかユトリとかを感じさせる。飛騨の農家は屋根の傾斜が甚しく緩やかである。これは
大家族主義で有名な白川郷の農家の屋根が急傾斜なのとアベコベで、白川郷の屋根だと屋....
「兄妹」より 著者:岡本かの子
愛する兄の悲哀や懐疑になやむ姿がただただいたましく悲しかった。兄妹の行き着くべき
大家族の家の近くに武蔵野を一劃する大河が流れていた。日は落ち果てて対岸の燈が薄暮....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
兄と同じ下宿にいた上野の美術学校の卒業期の洋画科生である。青年は下町にある自宅が
大家族でうるさいので、勉強の都合上家を出て、下宿から学校に通っているのだそうであ....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
対して競争するばかりか、しろうと衆に対しても、悪辣な行為をする。 日本の夫れは
大家族主義的、相互扶助的であるが、米国の夫れは、利己主義的、弱肉強食的である。 ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
れた。淡島軽焼の笑名も美人の噂を聞いて申込んだ一人であった。 然るに六十何人の
大家族を抱えた榎本は、表面は贅沢に暮していても内証は苦しかったと見え、その頃は長....
「こがらし」より 著者:岩本素白
てしまおうと云い、何処の家もそういう心構えは持って居たのであった。農村出の学生の
大家族を擁して、火事など余り経験の無かった者などの眼からは、馬鹿げた怠け方をする....