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「大尽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大尽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
博奕場で他の者と論争を始めると、相手は腕をまくってこう言った。 「いくら佐野のお大尽《だいじん》さまでも、こうなりゃあ腕づくだ。腕で来い」 幸いにささえる者が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も土地では札付きの悪党であったらしい。今から十三年前に二人は共謀して隣り村の或る大尽の家へ押し込みにはいって、主人夫婦と娘とをむごたらしく斬り殺した。その詮議が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お定は以前|板橋で勤め奉公をしていた者で、かの石原の松蔵の情婦であった。土地の大尽を踏み台にして身請けをされて、そこから松蔵のところへ逃げ込んで、小一年も一緒....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ので、すぐに港崎町の廓通いをはじめて、岩亀楼の小秀という女を相方に、身分不相応の大尽風を吹かせていたが、所詮はボーイの身の上でそんな贅沢遊びが長くつづく筈はない....
海異記」より 著者:泉鏡花
、俯向き通しの疲れもあった、頻に胸を撫擦る。 「姉さんも弱虫だなあ。東京から来て大尽のお邸に、褄を引摺っていたんだから駄目だ、意気地はねえや。」 女房は手拭を....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
っぽく見えない処へ、媚しさなどは気もなかった。その頃、銀座さんと称うる化粧問屋の大尽があって、新に、「仙牡丹」という白粉を製し、これが大当りに当った、祝と披露を....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
。越後の縮売の若い者も殺された。それから京の旅画師に小田原の渡り大工。浮島の真菰大尽の次男坊も引懸ったが、どれも三月とは持たなかった。あれが世にいう悪女の深情け....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
様で。どうもこの文無しで宿を取る人間に限って、大きな顔をして威張り散らして、散々大尽風をお吹かせの上、いざ御勘定となると、実は、とお出でなさいます。一番これが性....
錦紗」より 著者:犬田卯
っくりしている。使いたくてもちょっと自分勝手には使えないような家の子供だ。」 「大尽どんの子供かな、では……」お通はひょっと心当りがして念を押した。 「そうでも....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
もんですから、小屋主ももう打っちゃっては置かれなくなりました。 これが普通のお大尽の持ち物かなんぞならば、万一そのことが露れたとしても差したる面倒も起こらず、....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
しょう。並んでいる木菟にも、ふらふらと魂が入ったから、羽ばたいて飛出したと――お大尽づきあいは馴れていなさるだろうから、一つ、切符で見ようじゃありませんか、とい....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
た画とは本質的に大に違っておる。大抵は悪紙に描きなぐった泥画であるゆえ、田舎のお大尽や成金やお大名の座敷の床の間を飾るには不向きであるが、悪紙悪墨の中に燦めく奔....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
上げられて自分を高く買うようになってからの緑雨の皮肉は冴を失って、或時は田舎のお大尽のように横柄で鼻持がならなかったり、或時は女に振棄てられた色男のように愚痴ッ....
活人形」より 著者:泉鏡花
ら探偵が嗅ぎ附けたらしい。何もかも今夜中に仕上げざなるめえ。その代り翌日ッから御大尽だ。どれ、ちょびと隠妾の顔を見て慰もうか。とかねてより下枝を幽閉せる、座敷牢....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
また平気で『旦那様も敵なら、奥様だって敵の片割ですよ。だから敵を狙う私の名が有喜大尽で笹屋と申す茶屋にいますのさ』って笑ってしまいます。 またこんなことも申し....