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大層
「大層〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大層の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
じゃこの頃、家中《うちじゅう》がトルストイにかぶれているもんだから、こいつにも御
大層なピエルと云う名前がついている。僕はこいつより、アンドレエと云う犬の方が欲し....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
岸からすぐ車で、近所の御医者様へ御つれ申しましたが、雨に御打たれなすったせいか、
大層御熱が高くなって、日の暮にこちらへ御帰りになっても、まるで正気ではいらっしゃ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ますなぞもまた、へへへへへ、お宜しゅうございましょう。御婦人のお客で、お二階じゃ
大層お話が持てますそうでございますから。」 「憚様。お客は旦那様のお友達の母様で....
「海異記」より 著者:泉鏡花
りとさして、すッと立った。 「三ちゃん。」 「うむ、」 「お前さん、その三尺は、
大層色気があるけれど、余りよれよれになったじゃないか、ついでだからちょいとこの端....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
る。何処からか指輪が来ると云うあんばいで、仕事も休みがちで遊びまわるんだ。偶にゃ
大層も無え。お袋に土産なんぞ持って来やあがる。イフヒムといがみ合った様な噂もちょ....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
ようでは、あすこ、ここ、町の本屋をあら方あらしたに違いない。道理こそ、お父さんが
大層な心配だ。……新坊、小母さんの膝の傍へ。――気をはっきりとしないか。ええ、あ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
てしまった。 私も聞惚れていた処、話の腰を折られては、と知らぬ顔で居たっけよ。
大層お店の邪魔をしました、実に済まぬ。」 と扇を膝に、両手で横に支きながら、丁....
「女客」より 著者:泉鏡花
おうかと、日に幾度考えたかね。 民さんも知っていましょう、あの年は、城の濠で、
大層|投身者がありました。」 同一年の、あいやけは、姉さんのような頷き方。 「....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
で。 「いかがでございます、お酌をいたしましょうか。」 「いや、構わんでも可い、
大層お邪魔をするね。」 ともの優しい、客は年の頃二十八九、眉目秀麗、瀟洒な風采....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
らりぶらりということは、この人よりぞはじまりける。 「賢君、君の山越えの企ては、
大層帰りが早かったですな。」 少年は莞爾やかに、 「それでも一抱えほど山百合を....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
井戸の傍だったかに、へらへら焼一名万橘焼というものを売り出したものがいて、これが
大層好く売れたものであったそうだ。 昔のことをいえば限りがないが、物価も今より....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
逃げて来たのである。ファラデーはこの人の部屋の掃除をしたり、靴を磨いたりしたが、
大層忠実にやった。それゆえマスケリーも自分の持っている本を貸してやったり、講義の....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
は後について首を突込み、 「や、そいつあ気がつかなかったい。」 「今日はね河岸へ
大層着いたそうで、鮪の鮮しいのがあるからお好な赤いのをと思って菊ちゃんを一人ぼっ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
と一所に働いた奴だ。人に悪事は饒舌まい。惜くも無し、心配も無いが、高田の業突張、
大層怒ってな。お藤がなくなったら即金で千円返せ、返さなけりゃ、訴えると言い募って....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
橋の畔に小さな居酒屋を造えましたが、村には一軒も酒屋がなかったので、この居酒屋が
大層|繁昌してだんだん儲かって行きました。伊作は今では田を耕したり、炭を焼いたり....