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大峰
「大峰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大峰の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「単独行」より 著者:加藤文太郎
白馬岳に登り鎗温泉に下り、吉田口から富士山に登り御殿場に下山を皮切りに、九月には
大峰山脈を縦走し大台ヶ原山に登った。十月には大山に登り船上山へ廻ってみた。大正十....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
、只一人大野修理治長の所へ行った。その頃、薙髪していたので、伝心|月叟と名乗り、
大峰の山伏であるが、祈祷の巻物差しあげたいと云う。折柄修理不在で、番所の脇で待た....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
まない旅に、ちぢに乱れて。 平塚――大山|阿夫利《あふり》神社。その、三角形の
大峰へ詣る白衣の道者がゾロゾロ杖をひく。 藤沢――境川にまたがって、大富、大坂....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
羊ひげの翁など、日本アルプスや、米国あたりの山登りには見られない風俗である。大和
大峰いりのほら貝は聞えないが、町から野、野から山へと、秋草をわたり、落葉松の枯木....
「大江山」より 著者:楠山正雄
わたくしどもはいったい出羽の羽黒山から出ました山伏でございますが、この間は大和の
大峰におこもりをしまして、それから都へ出ようとする途中道に迷って、このとおりこち....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
のると上の千本までしか登れない。奥の千本へ行くにもテクらなければダメなんだから、
大峰山や大台ヶ原は今もって鏡花先生の高野聖時代さ。交通文明というものに完璧に見す....
「迷信解」より 著者:井上円了
光に託して、巫覡等の愚民を欺き、銭を求むるの術とす。そのほか讃岐の金比羅、大和の
大峰など種々の霊怪を唱え、また稲荷、不動、地蔵を祀り、吉凶を問い病を祈り、よって....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、 (いざ) と、挑んでいた。その体を見て、助九郎にも、初めて分ったのである。
大峰の者か、聖護院派か、見知らぬ山伏だが、年ごろ四十前後の男で、鉄のような五体は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ごろはとくに、いま見たような一見、宮方びいきとわかる山伏も多いからの」 「吉野、
大峰、葛城、そのほか諸山にわたって、ちと、内々のおくすりが効きすぎた結果でもござ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
十津川の郷士竹原八郎一族を帷幕に加えて、熊野三山から高野、根来の衆徒をひきいれ、
大峰山脈の一帯をとりでと見なして、外洋では伊勢、熊野の海賊をつかい、また前衛には....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
家は、異色である。文覚の行き方は「今昔物語」などが語っている“持経者”――つまり
大峰や那智や高野などの深山幽谷を、修行の道場とした一群の仏者と性質が似かよってい....
「山の人生」より 著者:柳田国男
沢山ある。その二三をあげてみると、 一 遠州|奥山郷|白鞍山は、浦川の水源なり。
大峰を通り凡そ四里、山中人跡|稀なり。神人住めり。俗に山男と云ふ。雪中に其跡を見....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
決して悪鬼羅刹の鬼ではなく、もとは山人という位の意味であったでありましょう。大和
大峰山中、一番奥にある前鬼村の人々は、鬼の子孫だと云われていまして、紀伊粉河の北....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
ことは、疲労を忘れしめるほどの愉快を感ずるものである。幾春秋の雨露風雪に曝された
大峰の頂上は清浄な岩石を露出して、殆ど塵一つとどめない箇所を見出すところがある。....