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大川
「大川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大川の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
った朝、父と彼とはいつものように百本杭《ひゃっぽんぐい》へ散歩に行った。百本杭は
大川の河岸でも特に釣り師の多い場所だった。しかしその朝は見渡した所、一人も釣り師....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
板画の一枚を見るように、その部屋の有様が歴々《ありあり》と眼の前へ浮んで来ます。
大川に臨んだ仏蘭西窓、縁《へり》に金を入れた白い天井《てんじょう》、赤いモロッコ....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
自分は、
大川端《おおかわばた》に近い町に生まれた。家を出て椎《しい》の若葉におおわれた、....
「老年」より 著者:芥川竜之介
、庭の刀柏《なぎ》や高野槙《こうやまき》につもった雪がうす青く暮れた間から、暗い
大川の流れをへだてて、対岸のともしびが黄いろく点々と数えられる。川の空をちりちり....
「少年」より 著者:芥川竜之介
日」である。保吉は食後の紅茶を前に、ぼんやり巻煙草《まきたばこ》をふかしながら、
大川《おおかわ》の向うに人となった二十年|前《ぜん》の幸福を夢みつづけた。……
....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
眼を落した。すると番附には「ピストル強盗《ごうとう》清水定吉《しみずさだきち》、
大川端《おおかわばた》捕物《とりもの》の場《ば》」と書いてあった。
年の若い巡....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
かかった時、国技館の天に朧銀《おぼろぎん》の縁をとった黒い雲が重なり合って、広い
大川の水面に蜆《しじみ》蝶の翼のような帆影が群っているのを眺めると、新蔵はいよい....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
五つか六つの時だったであろう。僕は確か父といっしょにそういう珍しいものを見物した
大川端の二州楼へ行った。活動写真は今のように大きい幕に映るのではない。少なくとも....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
虎屋の横町の俗称――今の有名な泥鰌屋の横町辺が中心です。西両国、今の公園地の前の
大川縁に、水茶屋が七軒ばかりもあった。この地尻に、長左衛門という寄席がありました....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
方は、その名所の山へ、絡繹として、花見、遊山に出掛けるのが、この前通りの、優しい
大川の小橋を渡って、ぞろぞろと帰って来る、男は膚脱ぎになって、手をぐたりとのめり....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
扇を出したっけな、お京も持って。さて、何を聞いたか、饒舌ったか、腰掛窓の机の前の
大川の浪に皆流れた。成程、夕顔の浴衣を着た、白い顔の眉の上を、すぐに、すらすらと....
「鴨猟」より 著者:芥川竜之介
ある。何でも朝早く本所の一ノ橋の側の船宿に落合い、そこから発動機船を仕立てさせて
大川をくだったと覚えている。小杉君や神代君は何れも錚々たる狩猟家である。おまけに....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
いところ 大体にいへば、今の東京はあまり住み心地のいゝところではない。例へば、
大川にしても、僕が子供の時分には、まだ百本杭もあつたし、中洲界隈は一面の蘆原だつ....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
の膳ごしらえが、ちゃんと出来ていたのを見て、水を浴びたように肝まで寒くした。――
大川も堀も近い。……ついぞ愚痴などを言った事のない祖母だけれど、このごろの余りの....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
るのは或は私事に及び過ぎるのであろう。しかし僕はO君と一しょに両国橋を渡りながら
大川の向うに立ち並んだ無数のバラックを眺めた時には実際烈しい流転の相に驚かない訳....