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大年増
「大年増〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大年増の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
さいよ」 お粂の蔭にはまだ一人の女がしょんぼりと立っていた。女は三十七八の粋な
大年増《おおどしま》で、お粂と同じ商売の人であるらしいことはお仙にもすぐに覚《さ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いう者であった。お半といえば若そうにきこえるが、これは長右衛門に近い四十四五歳の
大年増で、照降町の駿河屋という下駄屋の女隠居である。照降町は下駄や雪踏を売る店が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しん吉は黙っていた。 「それにしても、伊豆屋の女房をどこへやった。もう三十八の
大年増だ。まさかに宿場女郎にも売りゃあしめえ。あの女房をどこへ葬ったよ」 しん....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
色は白く、髪をポケット顕微鏡で観察し、試験薬品で処理した結果、年齢は四十歳に近い
大年増の女である。これが袋探偵がその場で知り得たところの諸点だった。 「賊は二人....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
人を相手にしています、弟だって三津子ぐらいのところならいいでしょうが、まさかあの
大年増の尻を追うことはないでしょう」 「まあ、もうすこし帆村君の演出を拝見してい....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
た。 こうして、杜とお千との寄り合い世帯が始まった。二十五の若い男と、三十二の
大年増の取組は、内容に於て甚だ錯倒的であったけれど、外観に於て、さほど目立たなか....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
るような、芸妓らしい女の声がしたのであったが―― 入交って、歯を染めた、陰気な
大年増が襖際へ来て、瓶掛に炭を継いで、茶道具を揃えて銀瓶を掛けた。そこが水屋のよ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
々かと思うと、たぼの張った、脊の低い、年紀には似ないで、頸を塗った、浴衣の模様も
大年増。 これが女房とすぐに知れた。 俊吉は、ト御神燈の灯を避けて、路地の暗....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
「そう云って、茶屋の男が、私に言も掛けないで、その中でも、なかんずく臀の大きな
大年増を一人、こっちの場所へ送込んだ。するとまたその婦が、や、どッこいしょ、と掛....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ると、やあ、化けて来た。いきなり、けらけらと笑ったのは大柄な女の、くずれた円髷の
大年増、尻尾と下腹は何を巻いてかくしたか、縞小紋の糸が透いて、膝へ紅裏のにじんだ....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
の風格を備えているものがある。ダミアはそれだ。しかもダミアは今は年齢からいっても
大年増だ、牛のような
大年増だ。頬骨の張った顔。つり合うがっしりした顎。鼻は目立た....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
に乗った時に、江戸帰りのお鉄と一緒で有った。年齢は既に四十近く、姥桜も散り過ぎた
大年増。重量は二十貫の上もあろう程の肥満した体。色は浅黒く、髪の毛には波を打った....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
―一足おくれて、金沢の城下の方から、女たち七人ばかりを、頭痛膏を貼った邪慳らしい
大年増と、でっくり肥った膏親爺と、軽薄らしい若いものと、誰が見ても、人買が買出し....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ありますまい。今度あなたの代りに極りました縁の先方の、山河内の奥方てえ、あの癬の
大年増なんざ、断食をしないばかりに、女を押つけようといって騒いだと申すんで。 ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ちぴちと躍って、宙に雨脚を刎ねるようである。それは腰蓑で、笠を被った、草鞋穿きの
大年増が、笊に上げたのを提げて、追縋った――実は、今しがた……そこに一群、鰻、鯰....