大庭[語句情報] »
大庭
「大庭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大庭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
びとして来て、教室にあっては、いつもクラスの者たちを笑わせ、教師も、このクラスは
大庭さえいないと、とてもいいクラスなんだが、と言葉では嘆じながら、手で口を覆って....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
な花崗砂である。 植物園には柏のような大木があったり、いったいにどこやら日本の
大庭園に似ていた。 夜船へ帰って、甲板でリモナーデを飲みながら桟橋を見ていると....
「乳色の靄」より 著者:葉山嘉樹
それが大正年間の邸宅であろうとは思われないほどな、豪壮な建物とそれを繞《めぐ》る
大庭園と、塀とで隠して静に眠っているように見えた。 邸宅の後ろは常磐木の密林へ....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
飛び越えようとした。僕も君は好きだ。君の飛躍に手を貸そうとした。それだけ」関は、
大庭米子のことももし真知子が訊いたらば話したであろうという。
大庭への愛情は「亡く....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
とがぐるになって、道路の修繕費をごまかして選挙費用に使用しやがった、それをおまえ
大庭さんがギュウギュウ質問したもんだから、困りやがって休憩にしやがった、さあおも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
よろしい。実は笹子峠のこちらまで迎えるつもりであったのを、どうしてもこの峠を越し
大庭《おおば》まで行かなければならなくなった事情が出来たものでありましょう。 「....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
竹の木戸 国木田独歩 上
大庭真蔵という会社員は東京郊外に住んで京橋区辺の事務所に通っていたが、電車の停留....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
すべては、見渡す限り遠くまで、耕耘《こううん》されていた。それはヨーロッパ文明の
大庭園であった。その比類なき魅力は、豊饒《ほうじょう》なりっぱな土地にかかってる....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
根の下もないところへ、東京のマンナカへ進出できることにあった。三階建の社屋から、
大庭園をそなえた寮から、社長の私宅まで意のままに使用できるし、天草商事の全事業を....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
らなかった。記代子が熱海に来ていたことに不思議はない。これから彼が訪ねようとする
大庭長平を、彼女も訪ねてきたのだ。なぜなら、長平は記代子の叔父だから。 長平の....
「光は影を」より 著者:岸田国士
らすぐ島々行の電車に乗り換えて、京野等志は、大体地図で見当をつけておいたとおり、
大庭という停留所で降りた。同じ姓の多いことはどこの村とも変りはないのだが、百瀬秀....
「九段」より 著者:坂口安吾
に覚えのあるのを頼りに窮余の策をめぐらしているのだろうということだ。こんな大邸宅
大庭園を擁して碁の旅館とはピント外れのようだが、外れるどころか大当りに当ったのだ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
書ができず、また学者になれないのもそういう性質の欠乏が累をなしていると思います。
大庭君なども君のそういう性質をほめていました。 しかしあの手紙を多くの人々にみ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
悪源太」が明治座で上演されたことである。それは三十二年十月興行の中幕で、待賢門の
大庭で義平が重盛を追うくだりと、石山寺で義平が生捕られるくだりとの二場、主なる役....
「古事記」より 著者:太安万侶
靱をつけ、また威勢のよい音を立てる鞆《とも》をお帶びになり、弓を振り立てて力強く
大庭をお踏みつけになり、泡雪《あわゆき》のように大地を蹴散らかして勢いよく叫びの....