大廊下[語句情報] » 大廊下

「大廊下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大廊下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
煙管」より 著者:芥川竜之介
田家は、幕府の制度によると、五世《ごせ》、加賀守綱紀《かがのかみつなのり》以来、大廊下詰《おおろうかづめ》で、席次は、世々|尾紀水三家《びきすいさんけ》の次を占....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
のことであったが、広い広い纐纈城の隅々隈々にまで鳴り渡るような鋭い女の叫び声が、大廊下の外れから聞こえて来た。胆を潰した賓客達は、廊下へ向けて開けられてある――....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
介殿、御案内イ……」 時ならぬ夜の登城でした。呼び立てたお城坊主に案内されて、大廊下、中廊下を曲りながら導かれていったところは、老中御用都屋につづいた中御評定....
丹下左膳」より 著者:林不忘
十方斎先生は、此室《ここ》で皆伝《かいでん》の秘密の口述《くちず》をしたもので、大廊下からわかれてこっちへ通ずる小廊下の床《ゆか》が、鶯張《うぐいすば》りになっ....
海流」より 著者:宮本百合子
ってる? 三田先生やめさせられるらしいのよ」 「ほんと?」 折からその食堂からの大廊下をぞろぞろと通りがかっていた学生たちが、 「三田先生がどうしたって?」 「....
道標」より 著者:宮本百合子
階級に与える――マヤコフスキーの詩からの言葉だった。 作家クラブの建物の、この大廊下の部分は伸子にとってはじめてだった。一九二七年の十二月にここで「日本文学の....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
に炭を継いで、茶道具を揃えて銀瓶を掛けた。そこが水屋のように出来ていて、それから大廊下へ出入口に立てたのが件の金屏風。すなわち玄宗と楊貴妃で、銀瓶は可いけれども....
図書館」より 著者:宮本百合子
いつづけ、高い卓のうしろのその場所から動かなかった。 以前に来たときは、三階の大廊下を右へ入ったところに婦人閲覧室があった。重い古新聞の綴じこみをかかえて、廊....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
第二頁。 美術館に近い広場のはしに帝室劇場。代表的北欧ルネザンス建築。そこの大廊下にあるサラ・ベルナアルの扮したオフィリアの浮彫は世界的に有名だ。 第三頁....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
人座敷へ行くまでには、また暗くなりますから、御用心なさい」 果して、この天然の大廊下を少し行くと、また真暗闇になってしまいました。 「足もとにお気をつけなさい....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
立ったのが、左右に分れて、妙に隅を取って、吹溜りのように重り合う。真中へ拭込んだ大廊下が通って、奥に、霞へ架けた反橋が庭のもみじに燃えた。池の水の青く澄んだのに....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
早速お送りいたします。又あしたの予定は、すこし建物の内を散歩することです。二階の大廊下はからりとしていて心持がよいから。今私のいるい 号の上の部屋(真上ではあり....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
休むがいい」 団十郎はこういうと煙管をポンと叩いたものである。 西丸の大廊下 旧記によれば上覧芝居は二十八日とも記されているが、しかし本当は二十五日....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
上、鶴御成の日時をさだめて将軍に言上するのである。 永井播磨守と池田甲斐守が、大廊下を通って柳営《りゅうえい》の間《ま》へ行くと、老中|阿部伊勢守《あべいせの....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
ある。この大学はもう戦《いくさ》になれていた。 警戒警報が鳴りわたった。病院の大廊下へ講堂から学生の群が流れだし、幾組かのかたまりになってそれぞれの持ち場へ散....