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「大往生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大往生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ました。 それから時計は徐かに廻りました。夕方に配達された夕刊には「カッフェで大往生」と題して「細田弓之助(33)が喫茶店『黒猫』で頓死したが、原因は病み上り....
遺書」より 著者:尾崎秀実
の場合も、小生の死後にお願い致し度く存じます。 一、小生屍体引取りの際は、どうせ大往生ではありませんから、死顔など見ないでほしいということ、楊子はその場合連れて....
極楽」より 著者:菊池寛
お西様へお参りをして居たから、その点では家内の人達に遉はと感嘆させたほど、立派な大往生であった。 信仰に凝り固まった老人の常として、よく嫁いじめなどをして、若....
風流仏」より 著者:幸田露伴
日目、我子を委ぬる処を得て気も休まり、爰ぞ天の恵み、臨終|正念たがわず、安かなる大往生、南無阿弥陀仏は嬌喉に粋の果を送り三重、鳥部野一片の烟となって御法の風に舞....
連環記」より 著者:幸田露伴
伝えが残っている。普通の信心深い仏徒や居士の終りには、聖衆来迎、紫雲音楽めでたく大往生というのが常である。それで西方|兜率天か何処か知らぬが遠いところへ移転した....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
に勤めていましたので、父はそんな私を見て安心したのか、二年後の五月には七十六歳の大往生を遂げました。落語家でしたので新聞にちいさく出たが、浜子も玉子も来なかった....
お奈良さま」より 著者:坂口安吾
を合わせてホトケに一礼し、さて彼に向って、 「ヤ、ありがたいオナラによって隠居は大往生をとげました。大往生、大成仏。このように美しい臨終は見たことも聞いたことも....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
ら又「改造」に載った斎藤さんの「赤彦終焉記」を読んだ。斎藤さんは島木さんの末期を大往生だったと言っている。しかし当時も病気だった僕には少からず愴然の感を与えた。....
二十一」より 著者:坂口安吾
なさい。三十円ぐらいの金は有っても無くても同じことです。執着をすて神様にたのんで大往生をとげなさい。さよなら。 婆さん訪問は毎日夜間の行事であったが、昼は昼で....
武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
がら不思議であったろう。わけがわからなかったであろう。観念の眼を閉じて、安らかに大往生を遂げたとは思えない。思いたくない。あの面魂だ。剥いでも剥いでも、たやすく....
安死術」より 著者:小酒井不木
非常に苦しみ喘いでいた患者は、注射によって、程なく、すやすやと眠り、そのまま所謂大往生を遂げるのでありました。勿論、私は家族の人々に向って、患者の恢復の絶望であ....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
りをさえ伴なって、人々の口から耳へ伝波するのであった。 ところでその岩田のKが大往生を遂げたというニュースとともに、いつしか今度は、I部落のAがそのあと目をつ....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
日の午後、大熊老人は全く意識不明に陥り、やがてその夕刻、脈膊も薄れて、眠るが如く大往生を遂げてしまった。 喜助少年は、今や前後を忘却して、大声をあげて、泣き喚....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ではさまざまの事して見たが、死んで見るのはこれが初めて」と。六十七歳で眠るが如く大往生を遂げた。天王寺墓域内、「吉梵法師」と勒された墓石は今なお飄々たる洒脱の風....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
が、こうした自然のとらえ方が意識されてきているのである。頓阿は応安五年八十四歳で大往生をとげた。 さて、こうした自然を天象のうごきから見る見方、というよりは、....