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「大息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大息の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
ないで、『竜を御覧《ごろう》じられたかな。』と臆病らしく尋ねました。すると叔母は大息をついて、しばらくは口もきけないのか、ただ何度となく恐ろしそうに頷《うなず》....
高野聖」より 著者:泉鏡花
のは小造《こづくり》の美しい、声も清《すず》しい、ものやさしい。 私《わし》は大息を吐《つ》いて、何にもいわず、 (はい。)と頭《つむり》を下げましたよ。 ....
宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
」 「ふーむ、そういう理屈ですか。いや、おそろしいことになったものだ」 僕は長大息とともにそういった。 平面|走査《スキャンニング》をする電送写真やテレビジ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
鯛魚とおっしゃるもんです、ねえ、めのさん。」 「違えねえ。」 主税は色気のない大息ついて、 「何にしろ、ああ腹が空いたぜ。」 「そうでしょうッて、寝坊をするか....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、また或る夜はボッボツと、冷い雨が頬の辺を打った、それが一番著しい変化だった。長大息を一つすると、もう昇降口から、艦内へ呼び戻されるという次第だった。 夜間の....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
重し。 ◯夜半、忽然として醒め、子供をいかにして育てんとするかの方途を得たり。長大息、疲労消ゆ。有難し、有難し。 ◯けさ、広鳥惨害写真が新聞に出た。 八月二十....
怪星ガン」より 著者:海野十三
のようにばらばらと落ちてきて、危険このうえないことになった。 サミユル博士は長大息するとともに、そのあとのことを遂にあきらめた。 「運搬はやめる。隊員はそれぞ....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
ンクを軽々と担ぐと、大急ぎで飛行場を出ていった。 後を見送ったサービス係は、長大息と共に小首をかしげ、 「でも力のある老人じゃなあ。あの大きいトランクを、軽々....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
れは帝国海軍にとって実に由々しきことだ」 川上機関大尉は、ひそかに天を仰いで長大息したのであった。 その上に、気にかかるのは、彼の秘蔵していたペンキ缶に仕か....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
それなり先生の袖に縋って、無量の思の目を凝らした。 (はあ、) と落込むような大息して、先生の胸が崩れようとしますとな。 (貴方、……あの鍵が返りましたか。…....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
でも引こうもんなら、それこそ大変、わッといって泣出したの。 (あ、あ、)と旦那が大息をして、ふいと戸外へ出てしまうと、後で、そっと私の顔を見ちゃあ、さもさもどう....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
って飛び上ると同時に、心付きましたのは、旧の柏屋の座敷に寝ていたのでありまする。大息を吐いて、蒲団の上へ起上った、小宮山は、自分の体か、人のものか、よくは解らず....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
路傍に衝と高い、一座|螺のごとき丘がある。 その頂へ、あけ方の目を血走らして、大息を吐いて彳んだのは、狭島に宿れる鳥山廉平。 例の縞の襯衣に、その綛の単衣を....
星女郎」より 著者:泉鏡花
れから母屋へ遁げよ、という、一条の活路なのかも料られん。…… お先達、」 と大息ついて、 「……こう私が考えたには、所説があります。……それは、お話は前後し....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
。これにつけてもわれ等は、かの活神、活仏気取りの浅墓な心懸の人々には、つくづく長大息を禁じ得ぬ。本人も本人だが、その存在を許す周囲の人達も人達である。日本民族が....