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「大慈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大慈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
うしろ》に、じっと頭を垂れたまま、熱心にこう云う祈祷を凝らした。 「南無《なむ》大慈大悲の泥烏須如来《デウスにょらい》! 私《わたくし》はリスポアを船出した時か....
尼提」より 著者:芥川竜之介
せいこんしょく》の目の中にも一滴《いってき》の涙さえ浮べさせたのである。こう言う大慈悲心を動かした如来はたちまち平生の神通力《じんつうりき》により、この年をとっ....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
懈怠《けたい》、一つとして堕獄の悪趣たらざるものなし。されば DS《でうす》 が大慈大悲の泉源たるとうらうえにて、「じゃぼ」は一切諸悪の根本なれば、いやしくも天....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
さんがくむげ》、億億衆生引導《おくおくしゅじょういんどう》の能化《のうげ》、南無大慈大悲《なむだいじだいひ》釈迦牟尼如来《しゃかむににょらい》も、三十二|相《そ....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
まん》にはなりますまい。(寂しき微笑)わたしのように腑甲斐《ふがい》ないものは、大慈大悲の観世音菩薩《かんぜおんぼさつ》も、お見放しなすったものかも知れません。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
云うのですから、お聞届け下さると、実に貴女は人間以上の大善根をなさいます。夫人、大慈大悲の御心持で、この願いをお叶え下さるわけには参りませんか、十分間とは申しま....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
しかし本当はそうではなく、立っていて、首だけ爆風にやられたのであろう。 ◯いつも大慈さんから頂いていた宗一郎さんの奥さんの御里で、水飴の製造をやっていられたお家....
春昼」より 著者:泉鏡花
して、明月の如き真珠を枕に、勿体なや、御添臥を夢見るかも知れぬ。よしそれとても、大慈大悲、観世音は咎め給わぬ。 さればこれなる彫金、魚政はじめ、此処に霊魂の通....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
する状であった。 「忰、忰……まだ早い……泣くな。」 と翁は、白く笑った。 「大慈大悲は仏菩薩にこそおわすれ、この年老いた気の弱りに、毎度御意見は申すなれども....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
って、御目、眉の前へ、今にも触れそうに、ビシャビシャと竹の尖を振うのは勿体ない。大慈大悲の仏たちである。大して御立腹もあるまいけれども、作がいいだけに、瞬もした....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
けて焼消そうか。牡丹の根へ毒を絞って、あの小川をのみ干そうか。 もうとても……大慈大悲に、腹帯をお守り下さいます、観音様の前には、口惜くって、もどかしくって居....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の妻女の、病厄のためにまさに絶えなんとした生命を、医療もそれよ。まさしく観世音の大慈の利験に生きたことを忘れない。南海霊山の岩殿寺、奥の御堂の裏山に、一処咲満ち....
無題抄」より 著者:上村松園
のゝ力にひかれゆく……まことに、私たち人間のあゆみゆく姿は、大いなる天地の神々、大慈大悲のみ仏から見られたならば、蟻のあるきゆく姿よりも哀れちいさなものなのに違....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
て、朱の扉の端に片よせて、紅緒をわがね、なし得る布施を包んだ手帖の引きほぐしに、大慈のお ん心にまかせ三界迷離の笠|一蓋 よしなにおん計 いのほど奉願上候 ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
を押し仆して官位の競望に憂き身をやつした中流公家の心労からは、生れ出ることのない大慈悲心である。その証拠にはこうした歌は西行にも俊成にも定家にも一首として生れ出....