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「大手町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大手町の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
う。自分たちは外套《がいとう》の肩をすり合せるようにして、心もち足を早めながら、大手町《おおてまち》の停留場《ていりゅうば》を通りこすまでは、ほとんど一言《ひと....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
》ぎ出した。同時に列はぴたりと留まる。変だから、列を右へはずして、向うを見ると、大手町《おおてまち》を突《つ》き当って薬師町《やくしまち》へ曲がる角の所で、行き....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
、維新当年の京都のにぎあいを再びここ山陽に見る心地せられぬ。 市の目ぬきという大手町通りは「参謀総長宮殿下」「伊藤内閣総理大臣」「川上陸軍中将」なんどいかめし....
廃墟から」より 著者:原民喜
なかった。 もっと痛ましいのは嫂《あによめ》の身内であった。槇《まき》氏の家は大手町の川に臨んだ閑静な栖《すま》いで、私もこの春広島へ戻って来ると一度|挨拶《....
丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
ませて少し休息すると、わずかばかりの紙幣を財布に入れて出かける。三田行きの電車を大手町で乗り換えたり、あるいはそこから歩いたりして日本橋の四つ角まで行く。白木屋....
Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
うに白熱燈や紅青紫のネオン燈がともり始める。 白木屋で七階食堂の西向きの窓から大手町のほうをながめた朝の景色も珍しい。水平に一線を画した高架線路の上を省線電車....
メーデーに歌う」より 著者:宮本百合子
、蜒々たる隊列は、標語板を林のようにゆるがせながら東京の焼け跡の街を押して来る。大手町の方を眺めると、歌声のとどろきと旗の波が刻々増大し、つきぬ流れは日本橋へ向....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
づれのダンナ方がどうしても犯人以上に奇々怪々的にバカバカしい。白昼である。はじめ大手町の何ントカ省前で二人降され、次に運転手が神田橋で降され、畑のマンナカではな....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
りをした。本郷から麹町隼町、青山六丁目辺りまで、毎日小僧が卸しにまわる。そのうち大手町の印刷局へ新たに納入することになったので、その届け役を私が引き受けた。雨の....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
へ出張する途中、この広島の支局に打合せをする事があって下車したのである。支局では大手町の旅館へ案内してくれたが、その本店には多数の軍人が泊り合せていたので、さら....
魔都」より 著者:久生十蘭
見込で、日比谷公園の桜田門寄りの暗闇には赤十字社の病院自動車を六、七台待機させ、大手町側の横通りには防弾衣をつけた警官を満載した四台のトラックを後詰として配置し....
享楽人」より 著者:和辻哲郎
は忘れたが、熱心に論じ合った。二人の意見がなかなか近寄って来なかった。そこを出て大手町から小川町の方へ歩いて行く間も、なお論じ続けた。日ごろになく木下が興奮して....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
左京之介の屋敷へ帰って行った。 そしてまた、四、五日おきに、幾度となく、ここと大手町との間を往復した。 かくて、左京之介と、鴻山と、弦之丞との間に、なんらか....