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「大旆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大旆の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
う云った。 「とりもなおさず、これが今度の降矢木事件の象徴という訳さ。犯人はこの大旆を掲げて、陰微のうちに殺戮を宣言している。あるいは、僕等に対する、挑戦の意志....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
味方との分れ目となって、護らねばならぬ筈の徳川|御連枝たる水藩が、率先勤王倒幕の大旆をふりかざし乍ら、葵宗家に弓を引こうとしているのだ。 「館!」 対馬守は、....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
誇っていた北条氏であった。エエ面倒な奴、一かたまり引ッコ抜いて終え、と天下整理の大旆《たいはい》の下に四十五箇国の兵を率いて攻下ったのが小田原陣であったのだ。 ....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
て、鎮まりかえっていた。 ただ、かの醤の陣営の目印のような高き望楼には、翩飜と大旆が飜っていた。 その旆の下に、見晴らしのいい桟敷があって、醤主席は、幕僚を....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
飢え死にをした能役者もあった。元大坂の吟味与力の陽明学者の大塩平八郎が飢民救済の大旆のもとに大坂城代を焼き打ちしたのはすなわちこの頃の事である。江戸三界、八百八....
黒岩涙香のこと」より 著者:平林初之輔
であるのだが。 二 黒岩周六〔本名〕といえば、いま生きていたら、大亜細亜主義の大旆《たいはい》でも振りかざして政府を泣かせることを職業とするムッソリーニ式英雄....
四十年前」より 著者:内田魯庵
、大勢は終に滔々として渠らを置去りにした。 かかる折から卒然|崛起して新文学の大旆を建てたは文学士|春廼舎朧であった。世間は既に政治小説に目覚めて、欧米文学の....
三国志」より 著者:吉川英治
章となったものである。 また、黄巾軍の徒党は、全軍の旗もすべて黄色を用い、その大旆には、 蒼天已死 |黄夫当立 |歳在 天下大吉 という宣文を書き、党の楽謡....
三国志」より 著者:吉川英治
如何とも手がつけられない。 ――時に、ふと。 関上遥けき一天を望むと、錦繍の大旆やら無数の旗幟が、颯々とひるがえっている所に、青羅の傘蓋が揺々と風に従って雲....
三国志」より 著者:吉川英治
甲の胸当の下に、三歳の子をかかえながら、悪戦苦闘、次々の線を駆け破って――敵陣の大旆を切り仆すこと二本、敵の大矛を奪うこと三条、名ある大将を斬り捨てることその数....
三国志」より 著者:吉川英治
したことにある。彼が若年から戦うごとに世の群雄へ臨む秘訣としていた「尊朝救民」の大旆は、為にまったく自己が覇権を握るための嘘言に過ぎなかったことを、その肝腎な晩....
三国志」より 著者:吉川英治
もので、今や機は熟したと思われるゆえ、日を定めて、朕自ら水陸の軍をひきい、討魏の大旆をかかげて長江を溯るであろう」 費※は拝謝して、 「おそらく魏の滅亡は百日....
私本太平記」より 著者:吉川英治
を奪回しようと計っているし、宮方の新田義宗、義興、脇屋義治などの軍は、打倒尊氏の大旆をひるがえして、その郷土郷土からふるい立ち、信濃の宗良親王軍も、ぞくぞく碓氷....
黒田如水」より 著者:吉川英治
城に拠る諸豪も、踵を継いで、これに呼応して、 「羽柴軍を中国から一掃せよ」 の大旆に拠ってしまった。ここにおいてか、官兵衛が舌頭の無血攻略も、苦心の地盤工作も....