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「大書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
計の下に、うす暗い書庫の入口が見えた。そうしてその入口の両側には、見上げるような大書棚《おおしょだな》が、何段となく古ぼけた背皮を並べて、まるで学問の守備でもし....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
している。 二宮尊徳 わたしは小学校の読本の中に二宮尊徳の少年時代の大書してあったのを覚えている。貧家に人となった尊徳は昼は農作の手伝いをしたり、夜....
生きている腸」より 著者:海野十三
ているかとおもうと、まったく夢のような気がするのであった。 しかしもう一つ特筆大書しなければならないことは、こうして彼の手によって大気中に飼育せしめられつつあ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
段の裏を抜けると、次の次の、応接室の扉は、半開きになって、ペンキ塗の硝子戸入の、大書棚の前に、卓子に向って二三種新聞は見えたが、それではなしに、背文字の金の燦爛....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
姫赤星ジュリア一座」とか「堂々|続演十七週間――赤き苺の実!」などと鮮かな文字で大書してあるのが見えた。ああ真に一代の妖姫ジュリア! 大江山捜査課長の指揮下に....
蠅男」より 著者:海野十三
と、彼帆村とは、きょうはじめて口を利きあった。それは電話でのことであったが、特筆大書すべき出来ごとだった。 糸子をかえしてよこして、彼に探偵を断念しろというと....
地球盗難」より 著者:海野十三
京一ツ橋、中央気象台、中屋技師発」とあり、表をひっくりかえすと、「大隅青二殿」と大書し、その傍に「佐々砲弾君ニ托ス」と認めてあった。それこそ大隅学士が急遽電報で....
自叙伝」より 著者:大杉栄
、できるだけ大きな口を開けて、できるだけ大きな声で歌った。 そして、これは特筆大書しなければならんことだが、僕はこの先生にだけはただの一度も叱られたことがなか....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ちめい》を失ったものらしい。 臼井は今も行方が知れない。 それから最後に特筆大書《とくひつたいしょ》しておくべきは、田鍋課長が目賀野を証人として、烏啼に会わ....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
理簿の上には、これまた云いあわせたように、次の如き格言様の文句が見やすきところに大書されてあった。すなわち、 “世の中に、真に不可能なるものは有り得ず。ナポレオ....
獏鸚」より 著者:海野十三
ていったが、間もなく一冊の仮綴の台本を持ってきた。その表紙には「銀座に芽ぐむ」と大書せられてあった。 「ここですよ――」 彼が拡げたところを見ると、ガリ版の文....
軍用鼠」より 著者:海野十三
上げた。いよいよなにか考えついて書くらしい。 彼はまず、原稿用紙の欄に「1」と大書した。それは原稿の第一|頁たることを示すものであった。彼はこのノンブルを餡パ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
生の羊羹、ともいった、ポテト……どうも脇息向の饌でない。 ついこの間の事――一大書店の支配人が見えた。関東名代の、強弓の達者で、しかも苦労人だと聞いたが違いな....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
であったそうだ。沼南が大隈参議と進退を侶にし、今の次官よりも重く見られた文部|権大書記官の栄位を弊履の如く一蹴して野に下り、矢野文雄や小野梓と並んで改進党の三|....
自来也の話」より 著者:岡本綺堂
大きく書いてゆく。官でも厳重に捜索するが容易に捕われない。かれは相変らず我来也を大書して、そこらを暴してあるく。その噂がますます高くなって、賊といえば我来也の専....