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大書院
「大書院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大書院の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名君忠之」より 著者:夢野久作
ルと退いた。すぐにも下城しそうな足取りで、お局を出たが、しかし、お局外の長廊下を
大書院へ近づくうちに次第次第に歩度が弛んで、うなだれて、両腕を組んだ。思案に暮れ....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
は、もう表の闇に消えていった。――同時のように、ジイジイと置土圭が四時を告げた。
大書院の置土圭もまたその時四時だった。 だが対馬守は、あれから今まで死像のよう....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
おいても、それだけの待遇を受ける事になり、まず新年の年賀をする場合にも、今までの
大書院ではなくて、中書院という所へ出て、その仲間も皆歴々の嫡子のみである、藩主が....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
たままで置かれてあったが、いかさま見ればその面に、大門、玄関、客間、寝室、別館、
大書院、亭、廻廊、控えの間、宿直の間、廐舎、婢女の間、家士たちの溜り、調理の場所....
「勝負師」より 著者:織田作之助
の大棋戦と喧伝された対木村、花田の二局のうち、残る一局の対花田戦の対局を天龍寺の
大書院で開始した。私は坂田はもう出て来まいと思っていた。対木村戦であれほど近代棋....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、身をもてあますほどである。 が、伯父の上杉憲房には寸暇も見えない。元日の朝、
大書院から武者床を通した広間で、家臣の総礼をうけたさい、共に屠蘇を祝ったりはした....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
から召次の者が来て、鬼六にたいして「通れ」との達しだった。 鬼六は連れられて、
大書院の廂の砌りに、ひざまずいた。はや同席の人々は見えず、左将監と越後守との、両....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
れは並ならぬ構えであった。 すると。ずしっ、ずしっと大きな跫音。つづいてすぐ、
大書院の袖のあたりで、 「やあ、どうも、どうも」 と、ひどく馴れ馴れしいガラ声....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
民谷玄蕃は、二の曲輪の矢倉門で高氏を待ち、供びとはみな離して、彼一名のみを本丸の
大書院へ通せ」 いちいち、手順までいいつけてから、道誉は館の奥へ消えこんだ。―....
「べんがら炬燵」より 著者:吉川英治
も、人数が多い。黄昏前に、終らなければならぬ。 越中守も、ひそかに、お成りだ。
大書院におられるらしい。庭には白い幕、白い屏風。――伝右衛門は、眼をそむけた。 ....
「鬼」より 著者:吉川英治
棟方与右衛門は、よけいに足も進まず、気も晦くなってしまう。 案のじょうである。
大書院へ出ていた君侯の面には、焦躁のすじが立っていた。与右衛門が土へ手をつくとす....